彩の国の湖の向こう、浦和の和菓子工場までロードバイクに乗って甘いものを買ってくる

 

「最近、ロードバイクの話が少ないよ」というコメントが寄せられているが、ヒノデダッズムは共働きの子育てについてのブログであって、ロードバイクのブログではない。

 

また、浦安市の内外を含めて、子供たちの安全に関わるマターが多いように感じて、面白おかしいエントリーを書く気持ちになれない。

 

ただ、共働きの子育てと父親の趣味というのは、はたして相反する存在なのかと感じる時がある。

 

夫からの心がけや感謝の気持ちがあって、妻からの理解や配慮があるからこそだけれど、趣味を続けることは大切ではないかと。

 

自分がどうしてロードバイクに乗っているのかという理由。

 

突き詰めて考えれば、それは生きるため。

 

ただでさえ子育てが大変なのに、残業が多く、夫婦共働き、さらには長時間の通勤。

 

独身の頃は共働きの子育てなんて大したことないと思っていたけれど、ものすごく大変だ。

 

新婚時代は優しかった妻は、別人のように強くなった。

 

食事と子育てに妥協を許さなくて、毎日テンションを張っている感じがある。

 

妻は全てにおいてこだわりがあるわけではなくて、ブランド物とか家とか車とか、それと夫のこととか、あまり関心がないことにはスルーだ。

 

しかし、大切な存在、つまり食と子供についてはこだわりが強い。要は母性が強いのだろう。

       

子供たちがもう少し育てやすければ子育ても楽なのだろうけれど、個性全開だ。生きる力がみなぎってきたが、親としては大変だ。

 

たぶん自分の設計図だと思うので仕方がないと思うが、妻にとっては大変な苦労なのだろう。

 

そして、自分でさえ、平日よりも休日の方が疲れる。

 

元気一杯の子供たちの相手をした日曜日の夜の自分は、妻を含めて誰とも会話しないぞモードに突入して、寡黙な男のまま眠り、月曜日の朝がやってくる。

 

子供を育てていれば大変なのは当然だと思うけれど、このまま自分が疲れ切って動けなくなったら、この家庭はどうなるのだろうと思うことがある。

 

しかし、モノは考えようだ。

 

起きている時は大騒ぎで大変だけれど、眠っている時の子供たちの姿は相変わらず天使のような可愛さで、気が付くと成長して大きくなっている。

 

子供たちと会話を楽しむこともできて、とても楽しい。

 

父親になって良かったと思う。

 

辛い辛いと言っているだけでは始まらない。

 

というわけで、とにかく自分はロードバイクに乗る。

 

太陽の光を浴びて、運動によって汗を流し、頭の中を空っぽにしてペダルを回して、脳を休ませる。

 

すごく原始的だなと笑ってしまうことがあるのだけれど、実に効果的だ。

 

長時間の電車通勤が嫌なら、ロードバイクに乗って職場に通うことができる。

 

毎日、朝も夜も大好きなロードバイクに乗ることができる。

 

ロードバイク乗りにとって、なんて素晴らしい生活だろう。

 

妻も理解してくれているようで、サイクルパーツやサイクルウェアを買っても何も文句がないし、毎週の休日にはライドの時間を用意してくれる。

 

それにしても、自分が学生だった頃、特に受験生だった頃、スポーツというのは他の教科よりも下の存在で、別に頑張る必要もないと思っていた。

 

自分は思ったよりもスポーツが得意だったけれど、スポーツとかクラブ活動なんて、人生では大した意味がないと思っていた。しかし、その考えは正しくなかった。

 

スポーツは大切だ。

 

男は三十路を越えると太りやすくなるようで、ロードバイクに乗る前、自分から見て情けないような腹回りだった。

 

今では近くの大江戸温泉の混浴水着風呂に行っても、なんら気後れすることがない。

 

また、生きていると様々なストレスを抱えることになるが、ロードバイクのライドでのデトックス感はとても大きい。

 

もちろん、趣味としてのロードバイクの楽しみも大きい。

 

サイクリング仲間との出会いは、人生の大切な財産だ。

 

ということで、サイクリングは子育てや共働きに疲れた父親のリフレッシュに有用かなと思って、ブログに書き残していたりする。

 

とある日の朝、目を覚ますと、ふと甘いものがほしくなった。

 

なにか、こう、ふわふわとした、それでいて中身が詰まっていて、しっとりした、優しい甘さの菓子を腹一杯食べたい。

 

ホールのショートケーキを買ってきて、顔からダイブしたいという感じではなくて、なにか、こう、言葉で説明できないけれど。

 

ロードバイクに乗って職場に向かって走っている時、この「なんだか甘いものを食べたい」という漠然としたものが何なのか、今まで口にしたデザートを思い浮かべていた。

 

そうか、「芋ヨウカン」だ。

 

素材の味がなくなるくらいに加工されて、甘すぎる砂糖と一緒に練り込まれて、ビニールのパックに詰め込まれて、いつまでも長持ちするようなヨウカンではなくて、芋をすり潰しただけのような素朴な芋ヨウカン。

 

歳のせいだろうか、若い頃は和菓子を食べたいと思ったことがなかったのだけれど。

 

そういえば、埼玉県の彩湖の向こう側、かつて浦和と呼ばれた場所にいくつかの和菓子工場があるとお聞きした。

 

サイクリング仲間と一緒にロードバイクに乗って、千葉県の浦安から埼玉県のさいたま市まで走り、和菓子を買ってくることにした。 

 

荒川下流域の河川敷を走っているロードバイク乗りにとってはランドマークとなっている岩淵水門。

 

浦安から葛西臨海公園を抜けて、荒川の右岸(海に向かって右岸)を真っすぐ走り続けるとたどり着く。

 

ロードバイクのライドを始めた頃、岩淵水門がとても遠くにあるように感じたが、今ではウォーミングアップ程度の感覚しかない。

 

特に、仲間と一緒にグループライドで走る時には、お互いに車列の先頭を交代したり、会話を楽しみながら進むのでさらに短く感じる。

 

岩淵水門には飲料自販機やトイレがないが、近くに「荒川知水資料館アモア」という施設があり、サイクルハンガーが設置されている。

 

時間帯にもよるけれど、飲料を補充したり、トイレに行くことができる。

 

岩淵水門を通り過ぎたらすぐに道なりに右に曲がる。

 

下り坂を進むと、河川敷をさらに走り続けることができる。

 

岩淵水門からさらに右岸を走り続ける。

 

雨上がりには大きな水溜りができていたり、ゲートが通りにくかったりするが、サッカーや野球に興じる人たちが減って、気楽に走ることができる。

 

スマートフォンでナビを使うことができる現在、事細かにブログでルートを説明する必要はないと思うので、要点を絞る。

 

浦安から荒川沿いに彩湖に行くルートは、大きく分けて二つある。

 

一つは、途中で笹目橋を渡るルート。

 

岩淵水門を過ぎて荒川の上流を目指して走っていると、疲れてきた頃に「笹目橋」という橋が見えてくる。

 

最初は少し分かりにくいが、右側にたくさんの少年野球用グラウンドがあって、左側に大きなスロープがあるゲートを見かけたら、橋の名前をチェックすれば分かる。

 

17号線が走っていて、とても大きい橋だ。

 

もう一つは、とにかく真っすぐ走り続けて気合いで彩湖を目指すルート。

 

笹目橋を渡らずに真っすぐ走り続けると、「朝霞水門」という場所にたどり着く。

 

そこからさらに走ると「秋ヶ瀬取水堰」まで行ってしまう。

 

彩湖が近くにあるはずなのに、彩湖に行く方法が分からないという困った状況になり、必死に走り続けていたら彩湖に着いていたという感じ。

 

笑い話ではなくてよくあるパターンで、自分も最初はそうだった。

 

この場合、少し引き返すと「秋ヶ瀬橋」という大きな橋があるので、そこからしばらく走って、最初の交差点を右に曲がり「昭和水門」を通って真っすぐ走ると彩湖にたどり着く。

 

色々と覚えるのが面倒なので、「秋ヶ瀬橋」と「昭和水門」だけを覚えて、あとはスマートフォンのナビに頼ろう。

 

ということで、やはり、一つ目の笹目橋のルートで荒川の左岸に渡った方が楽だ。

 

また、笹目橋を渡る際には、両サイドの歩道のうち、進行方向にむかって右側 (下流側)をゆっくりと渡った方が道が分かりやすい。

 

笹目橋の歩道を渡り切ると、右手(荒川の下流側)にゲートが見える。

 

いわゆる、荒川の左岸ルート。このままずっと走り続けて、自動車教習所の右脇の小道を通ってしばらくすると、「キッチンとれたて」にたどり着く。

 

彩湖に行きたい場合には、このゲートを過ぎて、少しだけ下流に進んだ後で引き返し、脇の小道に入る。

 

地図アプリで「埼玉県戸田市早瀬1丁目24ー20」と検索すると、おそらくこの辺りが表示されると思う。

 

荒川の河川敷の道路には飲料水の自販機が設置されていないが、荒川を走っているロードバイク乗りにとって、便利な休憩場所だったりする。

 

彩湖にアプローチするには、写真奥にある少し暗い感じの地下道を通って前に進む。

 

「早瀬第一地下道」という名前の少し世紀末的な雰囲気の漂う暗闇の向こう側に彩湖がある。

 

自分がこの地下道を通る時には、「北斗の拳2」のオープニングで流れていたTOM☆CATの「TOUGH BOY」を心の中で歌うことにしている。

 

戸田市役所がこの前衛的なペイントをどうして放置しているのかについては深く問わないが、どうやって高所に落書きをしたのか、いつも不思議に感じる。

 

「BITE」の落書きは、おそらく左側の壁に足をついて、上の部分に左手をかけて書いたのかもしれない。

 

「WSK」という文字はサバイバルナイフの一種の略語だろうか。地下道の上から手を伸ばして、苦労しながら逆さまに字を書いた感がある。

 

暗闇を抜けるとバギーに乗った棟髪刈りの人たちが「ヒャッハー!」と追いかけてくる雰囲気があるが、矢が飛んでくることも、気合を入れてサイクルジャージを筋肉で破りながら戦うようなシチュエーションもない。

 

ただし、反対側からロードバイク乗りが突っ込んでくる時があるので、できればフロントライトを点灯するか、「ウォァタタタタタタタッ!」と叫びながら通ることをお勧めしたい。

 

早瀬第一地下道を抜けたらゲートを越えて、荒川沿いの細い道をしばらく進むと、広い道に抜けるゲートがある。

 

そこを左に曲がり、写真の右カーブを下っていくと、彩湖にたどり着く。

 

気持ちよさそうに走っていくヒノデダッズム専属モデルのロードバイク乗り。

 

通称、シルバーウルフ。

  

取って付けたような二つ名だけれど、今、適当に取って付けた。

 

シルバーウルフは、ヒノデダッズムのブログでイジられることが大好きで、彼のことを真面目に書くと「もっとネットで俺をイジってくれ!」とメッセージが届いたりする。

  

彼は、還暦が近づいてきたとは思えないくらいに元気なロードバイク乗りで、「人生を楽しむためには、どうしたらいいのか?」ということをいつも考えておられる。

 

先日は、ネット通販で500円のドローンを見かけて、すかさずポチったところ、ドローンのプロペラだけが自宅に届いたと喜んでおられた。

 

自分は彼に出会って、人生観が350度くらい変わった。

  

彩湖の周辺は公園になっていて、今回は早朝に来た。

 

広場にたくさんのテントが並んでいて、たくさんの人たちがキャンプをしているようだ。

  

「中に人が寝てたら、起こしちゃうかなー! あははー!」と笑いながら自転車で通り過ぎた。

 

この時、テントの中で、たくさんの人たちが寝ていたということを、帰り道で知った。

 

彩湖の周辺ではエンデューロレースが開催されることがあり、たくさんのロードバイク乗りが訪れる。

 

この場所には自販機とトイレがあって、企業がブースを用意していたり、ちょっとしたサイクルイベントが開催されていることもある。

 

しかし、油断は禁物だ。

 

自分たちは埼玉県の永遠のライバルである千葉県の民。

 

埼玉ローディの縄張りに、千葉ローディが足を踏み込んでいることを忘れてはならない。

 

自分たちが千葉ローディだということが分かれば、頭文字Dのように彩湖一周のバトルを申し込まれる蓋然性はゼロではない。

 

いざバトルになった時には、埼玉ローディが掟破りの地元走りによって、「インベタのさらにイン!」でコーナーを攻めてくる可能性もある。

 

ということで、「どこからですか?」と尋ねられたら、自分は「えっと、葛西の方から来ました」と東京都民のふりをすることにしている。

 

これで大丈夫。

 

それと、彩湖周辺は、初心者や上級者に限らずロードバイク乗りが集まるので、他のロードバイクのフレームやホイールが気になる。

 

とても楽しい。

 

そういえば、その昔、戦国時代の日本では武士たちが愛馬を連れて集まることがあったそうだ。

 

武士たちの中には、見栄を張って無理して名馬を買った人もいたのではないかと、今になってそう思う。

 

いつの時代も男は変わらないものだなと。

 

それと、彩湖周辺は、おそらくマナーの悪いロードバイク乗りに対して怒った人によって道路に釘をまかれたりするので注意したい。

 

戦国時代は忍者がマキビシをまいていたようだが、武士だけではなくて馬にとっても迷惑で仕方がない行為だと思う。

 

彩湖で釘をまいている人が、忍者の子孫かどうかは分からない。

 

今回のライドの目的は彩湖ではなくて、和菓子工場なので、先ほどのログハウス風のトイレの前を通り過ぎて、さいたま市の桜区を目指す。

 

以前は「浦和市」と呼ばれていた街だ。

 

彩湖から離れようとゲートに向かった時、自分は何かに気づいた。

 

様子が変だ。

 

「チェーンに注意」と書かれた看板があるのに、どこを見渡してもチェーンが見当たらない。

 

自転車のチェーンに気をつけろということなのか? 

 

しげしげと看板を眺めて青ざめた。

 

「建設省...だと...」

 

建設省が存在していたのは、2001年1月5日までだ。

 

なるほど、彩湖周辺では局所的に時空のねじれが起きていて、少なくとも17年前も昔の埼玉県に存在してた看板が浮かび上がってきたということか。

 

やはり、千葉県民が埼玉県で和菓子を買うのはリスクが高かったのか。

 

いつ時空のねじれに落ち込んでもおかしくない気がした。

 

しかし、シルバーウルフが、「待て、俺が様子を確かめてくる。こういう時は、年上から行くもんだ」と言い残して、ゲートに向かって走っていく。

 

いけない! 彼は仲間を守るために、自らを投げ出す覚悟なんだ!

 

「シルバーウルフ!!」

 

シルバーウルフの捨て身の友情によって、自分たちは何とか彩湖ゾーンから脱出することができた。

 

先ほどの彩湖のゲートを通り過ぎて道なりに走ると、昭和水門が見えてくるので、水門の前をそのまま走り続ける。

 

しかし、視界にはシルバーウルフの姿が見当たらない。

 

おそらく、時空のねじれに飲み込まれたのだと思う。

 

「シルバーウルフ! あなたのことは決して忘れない!」

 

そんなわけはない。

 

シルバーウルフのことを想って涙を流していたら、時空のねじれから戻ってきたようだ。

 

ここは埼玉県。

 

千葉県の永遠のライバル。

 

油断は禁物だ。

 

浦和ゴルフ倶楽部の看板の方向に道なりに進む。

 

右側の土手の向こうには、荒川ではなくて鴨川がある。

 

いつも感じるのだけれど、彩の国、埼玉県はとてもリラックスできる。

 

以前、千葉県の外房まで一人で自転車に乗って行ったことがあったのだけれど、「浦安から何をしに来た?」とクールに応じてもらったことがあって、同じ千葉県民なのにアウェイな気持ちになった。

 

しかし、埼玉県に自転車に乗っていくと、「へぇ、浦安からですか!」と笑顔で迎えてくれることが多くて、とてもうれしい。 

 

スマートフォンで地図を確認しながら、鴨川沿いをのんびりと走っていると、すぐ近くに「舟和本店」の浦和工場がある。

 

国立の埼玉大学の近く。

 

実は、浦安市の場合には、東京駅や台東区の舟和の店舗に行った方が近いのだけれど、あまりに近くてすぐに到着してしまう。

 

やはり工場まで行って、出来立ての芋ヨウカンをすぐに口の中に入れたいのだ。

 

工場はとても大きいけれど、直売店はかなりコンパクトに仕上がっている。

 

工場の中ではなくて直売店の中で働いている店員さんが、ガチの工場スタイルで迎えてくださった。

 

ネット上では、この直売店の店員さんが不愛想だと厳しいコメントを投げつけているネットユーザーがいるが、そのコメントは適切ではない。

 

不愛想ではなくて、無口なだけだ。

  

自分たちが写真を撮っていたら、店員さんが出てきて全員での記念撮影を手伝ってくださった。

  

舟和に芋ヨウカンを買いに来たのだけれど、たくさんの和菓子のレパートリーがあって、どれを買おうかと目移りしてしまう。

 

地方発送が可能だが、やはりロードバイク乗りとしては背中のバックパックに詰めて走りたい。

 

特に、わらび餅が食べたくて仕方がない。

 

この季節、キンキンに冷やして、ツルっとしたのど越しを味わいたい。

 

「ザ・和菓子」という感じだ。一番上の段の「芋ようかん」が1本130円。

 

おそらく10本くらい食べられると思ってオーダーしようと思ったら、隣に立っていた埼玉県民の初老のおじさんが、「うーん、一度に食べるなら2本くらいじゃないかな」と。

 

千葉県民の自分としては、ここは強気に5本入を2箱で行こう。バッグに入りきらないので箱を分ける。

 

ネットでも評判の高い「芋ようかんアイス」も冷えているが、浦安まで溶かさずに帰るだけの脚力が身についてから買うことにした。

 

それにしても空が綺麗だ。

 

芋ヨウカンは保存が難しいので、24時間以内に食べてほしいと店員さんにアドバイスをいただいたので、早速、浦安に向かって帰ることにする。

 

しかし、ここで思い出した。

 

舟和の工場の近くに、文明堂という有名なカステラ屋の工場があったはずだ。

 

シルバーウルフが端末で情報を分析したところ、なんとこの日は窯出しカステラの販売日だった。

 

窯出しカステラというのは、工場の窯で焼いたカステラをその場で切って売ってくれるというスペシャルなイベントで、店先のカステラとは味が違う。

 

しかし、背中には舟和の芋ヨウカンが。

 

やはり、ここは浦安に帰ろう。

 

しかし、何か様子が変だ。

 

時空がねじれていたようで、ペダルを漕げば漕ぐほど、文明堂が近づいてくる。

 


文明堂の浦和工場に到着した。

 

個性的な飲料の自販機で飲み物を買うと、いつものメロディーが流れる。

 

夏場にはうれしいアイスキャンディー、いやキャンデーが売られている。

 

後で説明するが、ここでカステラを食べた後はアイスを食べる気力がなくなるので、先に食べておきたい。

 

右横に写っているのが窯出し直後のカステラ。

 

1メートル四方くらいあるだろうか。大きなプレートのような形で焼き上がって、中華料理人が使うような大きな包丁で切り分けて、すぐに箱に入れて売ってくれる。

 

限定で500個くらいで、地元の方々が一斉に並んで何個もまとめて買っておられるので、あまりノンビリせずに買った方が気が楽だ。

 

ハニー味とメイプル味があって、自分はメイプル味を好む。

 

列に並んでいると、カウンターの上に試食用の小さなカステラが山になっているので、その場で判断ができる。

 

試食用のカステラだけでも十分にカステラ欲を満たすことができるのだけれど、客の列に並んでおいて今更引けない。

 

行列で待っている間、カステラが一番で、電話が二番というメロディーがずっと流れ続けていて、職場環境としてとても集中できるなと感心した。

 

しかも、CMで聞こえる部分が全てで、前にも後にも曲がないことに気づいた。

 

おそらく、カステラを手に入れるまでに、100回以上はこのメロディーを聞いたと思う。

 

そして、脳がメロディーを認識しなくなった頃、家族用と自分用にカステラを1個ずつ買う。

  

そして、自分用のカステラを箱から開けて、丸ごと食べる。

 

ロードバイクはカロリーの消費が激しくて、しかも窯出しのカステラはフワフワなので、思ったよりも軽く腹の中に入る。

 

ロードバイク仲間たちも同じように、カステラを丸ごと一人で食べて、コーラを流し込んでいる。

 

普通にカステラを買いにきた人たちから驚かれたりするが、確かに普通に考えると尋常ではない食べ方だ。

 

帰り道での休憩は、さいたま市の桜区役所がおすすめ。

 

ここはとても綺麗でリラックスできる。

 

サイクルジャージを着たまま、あまり意味なく区役所のカウンターの前まで行ってみた。

 

この格好で住民票を取りに来る区民はいないはずなのだが、区役所の人たちは笑顔で接してくださった。

 

区役所には、埼玉県に本拠地がある浦和レッドダイヤモンズのポスターや写真が飾られていた。

 

「千葉県にはジェフユナイテッドがあるもんね!」と強がってみる。

 

浦安市民として何か違う気がしたが、たぶん気のせいだろう。

 

さいたま市内で田んぼを眺めていたら、遥か向こうに美しい山々が見える。

 

「あの山って、群馬県じゃないのかな?」

 

「赤城山とか榛名山とか?」

 

「群馬県って、埼玉県から見えるのか?」

 

「いや、確か、群馬県と埼玉県って隣だよね?」

 

「群馬県のライバルって、栃木県だよね?」

 

千葉県民にとって群馬県は遠い気がしていたが、もしあの山々が本当に群馬県にあるのなら、頑張れば浦安から群馬県まで行ける気がしてきた。

 

今度、行ってみよう。

 

芋ヨウカンとカステラがバックパックと胃袋の中に入っているので、のんびりと走りながら帰る。

 

さすが彩の国。

 

空と雲が美しい。

 

木々も美しい。

 

彩湖に戻ってきた。

 

彩湖ではなくて、秋ヶ瀬の方をまわるルートもあるので、興味があれば調べると楽しいかもしれない。

 

その後、荒川の左岸ルートを走りながら葛西臨海公園へ。

 

往復で120kmくらいのライドだったと思う。

 

自宅に帰って、再び芋ヨウカンを食す。

 

ヨウカンというよりも、美味しい芋を食べているような、本当に美味しい。

  

たぶん、この1年は芋ヨウカンを食べなくてもいいくらいに芋ヨウカンを食べた。

  

ついでに買ってきた抹茶わらび餅と黒わらび餅。

 

黒わらび餅も美味しかったが、抹茶わらび餅の風味には驚いた。

 

子供たちも喜んで食べていて、子育ては大変だけれど、子供たちがいる生活はとても幸せだと実感する。

 

「次は何を買ってくるの?」と楽しみにしてくれている。

 

やはりロードバイクは我が家に欠かせない。