浦安市内の不審者のパターンを千葉県警察のオープンデータによって分析する (前編)

 

思ったよりも早く梅雨が明け、子供たちの上履きを洗った後で外に干す。

 

共働き世帯では平日も忙しいが、休日も忙しい。

 

シーツを洗い、布団を干し、平日に手がまわらなかったことを夫婦でこなす。

 

小さかった子供たちの上履きが少しずつ大きくなり、徐々に妻の靴のサイズに近くなってきた。

 

こうやって自分が子供たちの上履きを洗うのは、あとどれくらいなのだろう。

 

子供たちの成長がうれしくもあり、少し寂しくもあり。

 

そのうち、「オヤジ、きもいよ」とか、そういった生意気なことを言ってきたり、結婚式で感謝してくれたり、孫を連れて帰省してくれたり、そういった展開になるのだろうか。

 

結婚して子供が産まれたら、人生はその辺がクライマックスかなと思っていたら、なんだかストーリーはまだまだ続くぞ。

 

子育てはとても大変だけれど、父親になって本当に良かったと思う。

  

ハンガーにぶら下がった上履きたちから、滴々と水が落ちる。

 

ボロボロになりながら子供たちの足を守ってくれていることに感謝しつつ、父親の生き様もかくありたいと感じたり。

 

ふと見上げた空は青く澄み渡っている。

 

綺麗な青だ。

  

大きくて真っ白な雲が、夏の訪れを告げる。

  

夏を越えると、子供たちがさらに大きくなる。

 

大きくなれよ。

 

しかし、心の隅では澄み渡らない暗雲が立ち込めている。

 

最近、浦安市の新町エリアでは、不審者が相次いで報告されている。

 

父親にとって、子供たちの安全を脅かす存在に対しては真剣にならざるをえない。

 

2018年5月に発信された浦安市の新町エリアの高洲地区における不審者情報をきっかけとして、自分はこの街において子供たちを守る取り組みについて関心を持つようになった。

 

その後も市内では不審者情報が散見されており、心配している保護者もおられることだろう。

 

また、千葉県や新潟県、静岡県などでは小学生を狙った凶悪な事件が発生しており、実際に子供たちを育てている父親として何を考えるべきかについて思考をめぐらすようになった。

 

不審者の発生と凶悪事件が直接的に結びつくかどうかは分からないが、それでも何らかの街の異常を察知することは重要だ。

 

東京都内から浦安に引っ越してきて、妻が出産し、夫婦で子供たちを育てていく中で、「街」という存在を意識するようになった。

 

独身時代には色々な街に住んできたが、ここまで地域について考えたことはなかった。

 

その場所が嫌なら引っ越せばいいと思って、実際に引っ越したことが多かったわけだし、23区の場合には、通りを隔てて1区画を過ぎただけで雰囲気や治安が違ったりもした。

 

まあ、東京なので、道端で大人が取っ組み合いの喧嘩を演じていても、誰かが倒れていても、どう考えても不自然な人が立っていたとしても不思議ではない感じがあって、そういった緊張感も独身時代には刺激になった。

 

しかし、今は違う。

 

妻や子、街で出会った友人、そして彼らの家族、たくさんの大切な人たちが浦安という街で生活している。

 

不審者への対応というテーマから、街のことをより深く知ることに繋がった。

 

街の中で事件が発生したり、不審者が認められた時、最も頼りなる存在は何か。

 

警察だ。

 

警視庁と比べると、千葉県警察の予算や人員は気の毒だが、それでも高いレベルを維持してくださっていると感謝している。

 

警察について学びたかったら、自分が敬服する作家の濱嘉之先生の作品を読めば分かる。

 

平凡な毎日だと思っていても、その大切な毎日を守るために、たくさんの警察官が身を粉にして働いてくださっている。

 

また、日本警察は、世界各国の政財界から「世界一だ!」と評されている。個々の能力、組織力、教育、訓練、技術など、様々な点において秀でているからだと思う。

 

濱嘉之先生の小説の中で、警察を見ればその国のことが分かるという趣旨のフレーズがあるけれど、確かにその通りだ。

 

東京都の23区で生活していた時、また現在でも都内に通勤している時、街の中では何度もパトカーや警官とすれ違う。

 

浦安市はコンパクトな街なので、パトカーを常時巡回させるとか、警視庁のようにスポーツ自転車を調達して警察官が隅々までパトロールするというのも良いかなと感じることはある。

 

また、地域の防犯においては、居住している場所で組織された自治会も頼りになると感じた。情報量がとても多くて、共有するスピードも速い。

 

しかし、自分なりに残念だと感じたこともあった。

 

それは、地域の防犯におけるPTAの意義。

 

それと、共働きで余裕のない自分自身の貢献の少なさ。

 

働いて、子育てを続けて、それらで精一杯なのに、平日の夕方に地域のパトロールまで行っている余裕がない。

 

しかし、保護者として行政に防犯についての対応を求めることはできる。

 

では、どうやって行政に要望を伝えるのか。個人が市役所に要望して実現するのだろうか。

 

子供たちが小学校に入学するとほとんど自動的にPTA会員になり、日の出小学校が浦安市P連に加盟しているということで、自分も浦安市P連の構成員のようになった。

 

自分が納めているPTA会費の一部も浦安市P連の活動資金になっている。

 

よく似た組織がどこかにあるような気がするが。

 

街の行政に対して提言しうるのは浦安市P連だと思った。

 

しかしながら、この団体の活動内容やこれまでの実績等を分析してみたところ、保護者の代表として浦安市や教育現場に物申すような状態というよりも、現状では代表者が集まってスケジュールや近況を伝えたり、保護者が集まってスポーツ大会もしくは研修会を開催するような連絡会だと理解した。

 

また、浦安市P連からの脱退を検討していたり、実際に脱退した単位PTAがあることが分かってきた。

  

単位PTAがどれだけ努力したとしても、不審者対応のような全市的な話になると、提言および解決は難しい。

 

その重要な役割を担うのは市P連だと思う。

 

では、自分がそのように考えたとして、自ら立候補して浦安市P連の役員になったとして、思ったことを実現できるかどうか。

 

言うは易し、行うは何とかだ。

 

おそらく、浦安の行政に何かを提言する時には、それぞれの単位PTAを背負ってやってくる会長や副会長と激論を交わさざるをえないことだろう。

 

様々な経歴や背景を有する保護者が集まる場で、ディベートで勝ったとか負けたとか、そういったことに意味があるのかどうか。

 

浦安市P連の役員は各単位PTAの会長や副会長であって、すでに大きな負荷がかかっているし、個人の意見が単位PTAの意見として受け取られかねない。

 

何かの議論があって、それぞれの単位PTAの意見を集めるためには、会長や副会長が単位PTAに議題を持ち帰って、再び集まって検討する必要があるかもしれないし、とても大変だと思う。

  

そもそも、自分の家庭でさえ、夫と妻では意見が違うことが普通だし、互いに議論したり意見を合わせるのも大変だ。

 

ましてや他の世帯のお父さんやお母さんと議論したり意見を合わせることはさらに大変だろう。

 

加えて、浦安市内にはたくさんの立派な保護者がお住まいだが、行政との対話や働きかけについては慣れていると思えない。

 

その背景を明確に察するのは難しいが、行政と市民との距離感について論じている論文や記事はたくさん見受けられる。

 

街づくりについて行政に何かを要望するのは疲れる作業でもある。

 

自分の要望を職員に説明して、相手に理解してもらい、実際に検討してもらい、それでも実現しないことの方が多いことだろう。

 

PTAの集まりで街についての課題が認められた場合、会長が積極的に動いてもらって、周りがきちんとサポートすれば話は別かもしれない。

 

しかし、往々にして一枚の要望書を市役所に提出して、「その要望にお応えするのは難しいです」という市役所からの返答があって、結局、何も変わらなかったり。

 

そのような状態では、保護者が意見を言うということ自体が虚しく感じるかもしれない。

 

すると、子育て世代から見ると行政への関心が薄れてしまい、「街のことは、行政を仕事としている人たちの役目」という考えになりかねないのではなかろうか。

  

自分としては、スポーツ大会や研修会も大切だと思うけれど、最も行政と連携しうる浦安最大の保護者連絡会が、市内で発生している不審者に対してどのように対応をしているのかを知りたくて、浦安市P連に問い合わせてみた。

 

「真摯に対応したい」という会長のお返事を頂いたが、具体的にどのような対応になるのかはご説明頂いておらず、実際にどのような動きがあったのかも分からない。

 

これ以上、浦安市P連に不審者対策に関する行政への対応を求めるのは気の毒だと思った。 

 

ただ、防犯というのはボランティア活動も大切だが、行政の柱として守るべきだと自分は思っている。

  

浦安市は充実したサイトを運営しているし、積極的に広報誌も配布している。

 

保護者世代が知らない、もしくは知らされていない情報が水面下にあるなんて、そんなことはありえない。

 

保護者が知る必要がある情報を、浦安市がわざと伝えないなんて、そのような保護者からの信用を失う態度をとるはずがない。

 

それはともかく、日の出地区で不審者が認められたという情報が日の出小学校の保護者にメールで一斉送信されたが、日の出地区以外の保護者にアナウンスされていないのではないかと心配になった。

 

浦安市において不審者が認められた際の保護者への連絡はどのようなフローによって対応されているのかが分からなかったので、浦安市役所の市民経済部の市民安全課(旧・防犯課)に問い合わせてみた。

 

結論から言うと、色々な都合があることは察したが、そのフローについては現在も検討を続けながらの対応のようだ。

  

そして、日の出南小学校の学区で発生した不審者の情報を「重要なお知らせメールサービス」によって他の地区の保護者に伝えた方がよいのではないかと市民安全課に意見を伝えたが、結局、本件については対応してもらえなかった。

 

どのように検討がなされたのかという内容は、自分のところに届いていない。

 

色々な都合があったことだろう。

 

したがって、他の地区の世帯は本件について知らされない、もしくは他の保護者からの噂を聞きながら生活しているということになる。

 

日の出地区で不審者が出て子供が追いかけられたという情報が、他の地区の保護者に届いていないというのは適切なのだろうか。

  

ただ、学ぶこともあった。

  

浦安市の市民安全課に過度な期待をすることは難しいのではないかと。

 

この課が取り扱っている業務というのは、市民の安全に関わること、例えば防犯や交通安全が中心になっている。

 

しかし、よくよく考えると、行政において防犯や交通安全を担っているのは警察だ。市役所には荷が重い時があることだろう。

 

浦安市の市民安全課が何をやっているのかというと、警察と連携をとりながら、市民と行政を繋ぐような存在だと認識した。

 

浦安警察署が保護者一人ひとりのメールアドレスを把握していて、直接的にメールが送られてきたら、確かに驚く。

 

浦安市役所から連絡があれば、警察署よりもリラックスして受け取ることができる。

 

なので、警察が市民に対して直接的に不審者の情報を発信することもあるが、浦安市が情報を発信することもある。つまりはそういうことなのだろう。

 

同時に、本来は警察が担当するような役割、例えば防犯や交通安全について、市民から市役所に要望や問い合わせがやってくることもあるわけだ。

 

自分の場合には、浦安警察署に問い合わせる時と、浦安市役所に問い合わせる時で何の気持ちの相違もない。警察官だって人間なので、名前を憶えていると喜んでくれるし、浦安警察署の警官はとてもフレンドリーだ。

 

しかし、普通に考えると、いきなり警察署に問い合わせるよりも、市役所の方が気が楽だと思う。

 

市民が市役所に問い合わせて、市職員が「浦安市としては対応できかねます。警察の仕事です」と答えれば、市民のボルテージが上がってくることだろう。

 

市民としては、市役所に問い合わせたのだから、市役所を経由して警察に連絡したり協議してほしいという気持ちなのだが、市職員の業務量にも限界があるわけで、何か気の毒に感じる。

 

防犯についてのメールを発信したり、市内の協議会の調整をしたり、市としての計画を立てたり、パンフレットを作って配ったり。外部委託している業者に指示を出したり。そういった仕事だけで精一杯かもしれない。

 

それと、市民安全課に尋ねることで、浦安市が保護者に不審者情報を伝えるルートが2種類あることを学んだ。

 

一つのルートは、浦安市教育総務部「保健体育安全課」から各小中学校を介して保護者にメールサービスで情報を伝えるルート。

 

保健体育安全課というのは、小中学校からの情報が集まるセンターとしての機能があるようだ。そのため、学校で何かがあれば保健体育安全課に速やかに情報が伝達される。

  

しかし、保健体育安全課から小中学校を介して保護者に伝えられる情報については、その事象に関係する学区に限られているようだ。

 

例えば、新町エリアの日の出地区で発生した不審者の情報が、中町エリアや元町エリアの保護者に伝わらないことが多い。教育総務部のセクションなので、あくまで学区による判断がなされるのだろう。

 

自分としては、保健体育安全課や各小中学校が情報を選別せずに、市内で不審者情報が得られた場合には、登録された浦安市内の全ての保護者に対してメールやプリントで連絡するという流れが望ましいと感じる。

  

このシステムには、もう一つの課題が認められる。

 

地域の防犯というのは必ずしも保護者に限らない。市内で働いている人たち、仕事をリタイアしたシニア世代の皆さん、たくさんの人たちに子供を守ってもらうことが大切だ。

 

その場合、限られた学区の保護者にメールやプリントで連絡しているようでは、保護者以外の皆様に情報が伝わらない、もしくは伝わりづらい。

 

不審者情報について浦安市から保護者に通知するためのもう一つのルートは、浦安市の市民安全課から「重要なお知らせメールサービス」を使って一斉に情報を配信するルート。

 

液状化の被害があったからだろうか、このサービスに登録している市民の割合が多いように感じる。また、このメールサービス自体はとても素晴らしくて、即時性もある。

 

このサービスを使って不審者情報が配信されることがあって、とても重要だと感じる。

 

ところが、このサービスにはデメリットもある。

 

市民安全課の職員からは「あまりに頻繁に不審者情報を市民の各端末に送信し続けると、市民が不安になってしまうのではないか」という説明があった。

 

それでは、子供たちが危険に晒されるリスクがある事象について、市民に伝えなくても構わないのかという議論にもなるわけで、この点について市民安全課に質問すると返答に窮する可能性がある。

 

さらに、市議会で情報配信について指摘があれば、浦安市としては「重要なお知らせメールサービスに登録している市民の数は限られている」というような根拠を提示してくるかもしれない。

 

ただ、「浦安市からの重要なお知らせメールサービスで不審者の情報を配信した場合、不審者にも連絡が届いてしまって、そういった人たちを刺激してしまうのではないでしょうか」という市民安全課の職員の意見は、確かに一理あると思った。

 

子供たちへの声掛けやつきまといなどを行った不審者が、浦安市内で一斉に情報配信されて何らかの興奮を覚えたり、その情報を元に対応を変えてしまうというリスクがなくはないわけで、行政におけるICTの活用というのは非常に難しいと感じる。

 

自分としては不審者を追い込んで捕まえようという考えではなくて、彼らが一線を越えて、もしくは意図していなかったとしても偶発的な展開によって犯罪を犯すことがないように諭す必要があると思う。

 

最も大切にしなくてはならないのは子供たちで、子供たちが怖い思いをしたり、心の傷を負うことがないように、大人たちが守る必要がある。

 

同時に、不審者として報告された人が本当に不審者なのか、意図せずに不審者呼ばわりされて傷つくことがないように注意する必要がある。

 

また、普通ではない行動をしている人がいた場合には、警察による質問や確保等が行われるかもしれないが、そういった人たちを地域社会から完全に排除しようとするよりも、そういった行動をしないように本人以外の家族を含めて指導し、お互いに不利益が生じない状態を目指したい。

 

浦安市なら、そういった大切さをきちんと認識していることを願う。

 

ただ、市民安全課の市職員に問い合わせた時、何か気になるフレーズを耳にした。

 

「あまり不審者の情報を伝えてしまうと、保護者の皆さんが不安になってしまうかもしれませんし」

 

という部分。

 

それと、「警察からの不審者発生の情報は、市役所が把握しているのですね?」という自分からの質問に対する市職員のフレーズ。

 

「はい、浦安市は警察と連携をとっています」

 

という部分。

 

つまり、千葉県警からの不審者情報は市役所に適切に伝達されていて、そのデータは浦安市の市民安全課や保健体育安全課が有しているということだ。

 

現時点での課題は、保護者にそれらの情報をどうやって伝えるのかという点。

 

行政が収集したデータというのは、一体、誰のものなのか?

 

担当課だけのものではなくて、市役所全体、さらには地域住民のものだ。

 

市民安全課や保健体育安全課が情報を抱えてしまって、他の担当課や市民に伝わらなかったとすると、データが眠ったままになりかねない。

 

実際には、行政におけるそのような問題点は日本どころか世界全体で指摘および議論されてきた。その中で、「オープンデータ」という考え方が生まれた。

 

オープンデータというのは、その名の通り、「オープン」な「データ」だ。

 

特に、政府や自治体には膨大な情報が集まる。

 

それらのデータについては外部に公開できない内容もあるけれど、むしろ積極的に公開して二次利用することで、より大きな意義を持つデータもある。

 

行政もしくは公的な機関のデータを外部に公開することは、それらの運営における透明化にも繋がるわけで、それらを支える一般の人たちからの信頼を得るというメリットもある。

 

そのように公開するデータのことをオープンデータと呼ぶと、自分なりには理解している。

 

また、オープンデータを公開する取り組み自体をオープンデータと呼ぶこともある。

  

オープンデータと古典的な情報開示は異なる。

 

市役所に行くと分厚いファイルに閉じられた書類を閲覧することができる。市議会の書類もそのように閲覧できたと思う。

 

それらは情報の開示ではあるけれど、オープンデータには該当しないと理解している。

 

データの二次利用を考えると、情報が印刷物に記載されているとデータとして処理することが難しく、わざわざその場所まで行かなくてはならないので利便性も低い。

 

オープンデータの場合には、ネットを使って情報を公開することが多く、それらのデータは当然ながらデジタル化されている。

 

ネットで浦安市内の情報を調べていると、たまにシニア世代の方々が浦安市等に「情報を開示せよ!」と指摘されていることがある。

 

オープンデータが充実してくると、そういった情報は差し支えない範囲で公開されるので、おそらくベクトルは同じなのだと思う。

 

また、シニア世代の方々が浦安市等に「市民の意見をもっと行政に!」と指摘されていることがある。

 

オープンデータはデータの公開ではあるけれど、オープンデータとICTを主体として行政と市民との垣根を取り払い、より多くのサイレントな市民の意見を活用しようというコンセプトが生まれている。

 

以前は、「ガバメント2.0」と呼ばれていたが、最近ではさらに分析や検討がなされて「オープンガバナンス」という考えになっているようだ。

 

オープンガバナンスが充実してくると、自分から立ち上がって意見を言わなくても、情報を行政に伝える機会が増えるわけで、シニア世代の方々が求める方向とベクトルは同じかなと感じる。

 

自治体レベルとしては、日本に先駆けてオープンデータを開始したのは福井県の鯖江市で、確か2010年のことだった思う。

 

その後も、多数の自治体がオープンデータへの取り組みを開始した。

 

浦安市の場合には、2018年の3月なので、鯖江市よりも8年くらいスタートが遅い。

 

たまに、「浦安市でオープンデータが始まりました!」と広報している浦安市の関係者がいるが、全国的に考えて誇れるほどのタイミングでもスピードでもないことを認識すべき。

 

むしろ、かつての浦安市の場合には、オープンデータよりもクローズドデータが主体になっていて、市の情報を積極的に公開しようという雰囲気がなかったように感じる。

 

現役の浦安市職員がそのやり取りをネットで公開しているので、興味があれば検索すれば分かる。

 

したがって、市役所の中には、オープンデータのことを単なるネット上での情報公開だと思っている職員がおられるかもしれないし、行政の情報を市民や民間に提供したところで何の効果があるのかを具体的に説明できない職員がおられるかもしれない。

 

「浦安市内の不審者の情報を知りたければ、浦安市のオープンデータをゲットすればいいのだ!」と思って、サイトにアクセスしてみた。

 

浦安市のサイトの中に「オープンデータ」と明記されたページが見つかった。

 

他の自治体でも同じように公開されている当たり障りのないオープンデータが並んでいるように感じたが、さっそく、浦安市内の不審者の情報を調べる。

 

どこにもデータがない。

 

浦安市が正式にオープンデータを開始したのは、今年、つまり2018年の3月だ。 

 

実際には、かつての浦安市がオープンデータという表記に慎重な態度をとったため、オープンデータに該当するデータが、オープンデータと明記されずに市のサイトで公開されていた。

 

何ともややこしい対応ではあるけれど。

 

たぶんオープンデータという考えそのものが理解できていなかったのかもしれない。

 

日本全国を眺めれば分かると思うが、オープンデータについて突っ込んでいる人を見かけたことがない。

 

浦安市のオープンデータを眺めてみると、当たり障りのない基本的なデータが公開されているように感じるが、この取り組みこそが大切な一歩だと思う。

 

そのうち、「これ、誰が使うんだろう?」というデータを公開することで、そのデータを見かけた市民や民間企業が新しいことに気づいて、そのアイデアがより良い街づくりに繋がることがある。

 

しかしながら、困った。

 

浦安市の市民安全課に問い合わせて、「不審者情報をオープンデータとして公開してください!」とお願いしたところで、何とかなるのだろうか。

 

やはり、「市民が不安になってしまうかも...」というフレーズが気になる。

 

地域住民に防犯について注意を促すのであれば、それらをオープンデータとして公開した方が、自治会やPTAで二次利用することができるのだが。

 

浦安市が有している不審者情報というのは、誰のためのデータなのか。

 

「そうか、浦安市防犯協会のサイトにオープンデータがあるかもしれない!」と思い、浦安市防犯協会のサイトにアクセスしてみた。

 

「市民安全課からのお知らせ」というページが見つかった。

 

しかし、「2018年のデータ」と「過去データ(2014年6月以前)」というページがあって、地図データとして利用することも、コンテンツデータとして利用することも難しい。

 

2017年から2015年までのデータはどこにあるのだろう。

 

ネット上で公開されているデータだが、情報のカテゴリーが統一されていないため、平準化されたデータの抽出は困難だ。必要なカテゴリーのデータが大きく抜け落ちている。

 

このようなデータはオープンデータとは呼ばず、情報を二次利用することは困難だと感じた。

 

浦安市もしくは浦安市に関係する機関から不審者情報についてのオープンデータを取得することは現時点では難しい。

 

しかし、これらの業務を市民安全課だけでこなすのは厳しいかもしれない。

 

おそらく、不審者情報のオープンデータの場合にはリアルタイムで更新し続ける必要があり、保護者への通知においては即時性が欠ける。

 

つまり、保護者へのアナウンスを行いながらもデータを更新するわけだ。

 

そうなると、市民安全課が窓口となって情報政策課がオープンデータを担当するというフローも考えられるが、情報政策課は地域の防犯については詳しくないわけで、そのデータが正しいのかどうかを判断するのは大変かもしれない。

 

情報政策課の仕事がさらに増えるわけで、各課の協議になってしまい、あくまで想像でしかないけれど、

 

「それは市民安全課に...」

 

「いえいえ、情報政策課に...」

 

「だったら、保健体育安全課に...」

 

「広聴広報課にお願いできれば...」

 

「え?」

 

「では、防犯協会はどうでしょうか...」

 

「それは市として行う仕事ですよ」

 

「アウトソーシングで...」

 

「すると、予算が必要ですよね。情報政策課が事業を計画してくれますか?」

 

「それは市民安全課に...」

  

「いえいえ、情報政策課に...」

 

「だったら、保健体育安全課に...」

  

「広聴広報課にお願いできれば...」

 

「え?」

 

という感じで調整が大変かなと思ったりする。

 

どの担当課だって余裕が十分にあるとは思えないわけで、一つひとつの事業を立ち上げて、予算を確保するのはとても大変だ。

 

市民が市役所で相談するよりも、市長が方針をトップダウンで指示すれば話は早いと感じるかもしれない。

 

しかし、浦安市はそうではないと思うけれど、トップダウンのシステムが常態化することには課題もある。

 

一部の声の大きな市民が出てきて、首長の近くで強く進言し続けて、その権限を利用し始めたとしたら。

 

同時に、首長の権限が強すぎて、二元代表制が機能しなくなったとしたら。

 

その街は、多くの市民が期待している方向と違ったベクトルに進んでしまうことがあるかもしれない。

 

むしろ、トップダウン型ではなくて、ボトムアップ型の行政の方が多くの人たちの気持ちを集めることができると思う。

 

オープンガバナンスというのは、そのようなネガティブなパワーバランスを排除して、行政が市民にダイレクトに情報を伝え、市民が行政にダイレクトに気持ちを伝え、行政が市民の気持ちを察するということを大切にしていると思う。

 

しかし、そのためにはボトムアップのシステムでも役割をこなすことができる市職員の実力が必要になる。面倒だからとか、負担が増えるからとか、そういった個ではなくて、公を考えることができるかどうか。

 

ともかく、浦安市役所に自分が求めるオープンデータが用意されていないとすれば、そのデータはどこにあるのか?

 

その場所を考える。

 

この場合、千葉県警察のオープンデータの中に、浦安市内の不審者情報が公開されていないだろうか。

 

その可能性を調べることにした。

 

後編につづく

 

浦安市内の不審者のパターンを千葉県警察のオープンデータによって分析する (後編)

 

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