ウサヤル星人が地球からいなくなったので、日本各地の自治体のシティプロモーション動画を見て探していたら、素晴らしい作品が多すぎて感動する

  

賛辞でもなく、批判でもなく、何が起こったのだと不思議に感じる。

 

以前、浦安市が公開したシティプロモーション動画が素敵だなと思って、ブログエントリーを書いたことがある。

 

浦安市の「ウサヤル星人」のシティプロモーションムービーの突き抜けたクオリティの高さに感涙する

 

気がつくと、この動画の公開が中止になっていた。

 

自分の記憶が確かならば、この動画を作成するために、数千万円の浦安市の予算が投じられていたはずだ。

 

公開されたのは平成28年12月頃だったと記憶しているので、1年も経たないうちにシティプロモーション動画を閉じてしまったわけだ。

確かにリンクをクリックしても動画が表示されない。

 

この動画については、閲覧数が伸びなかったり、色々な指摘もあった。

 

ただ、良い結果になったとしても、期待された結果が出なかったとしても、シティプロモーション動画を1年も経たないうちに削除してしまうというのは残念だ。

  

なぜなら、色々な批判があったとしても、この動画には、この街の素晴らしい魅力や浦安市の取り組みが映っていたわけだから。

  

どこかの自治体のように、プロモーション動画について社会的な批判が集まって公開を中止するというのであれば理解できる。

 

浦安市のシティプロモーション動画の場合には、そういった批判が集中したわけではない。

 

今までの浦安の取り組みをリセットしたいからという気持ちだったと仮定して、それを消す必要はない。

 

そのまま残しておいて、第二弾として立派な作品を重ね合わせればいいではないか。

 

浦安のシティプロモーション動画の閲覧数がどうして伸びなかったのかについては、大体の想像がつく。

 

ウサヤル星人の勢いで弾ければよいのに、所々に昔ながらの町おこし的なフィーリングを差し込もうとして、ストーリーが途切れた。

 

 

どうして宇宙人がやってきて驚くというストーリーになったのかという理由も分かる。

 

街の発展に伴って3つのエリアができて、他の自治体からやってきた人たちがその違いを見て感じる印象を表現したかったのだと思う。

 

しかし、1本の動画に浦安の魅力を詰め込もうとしてストーリーを繋げるのが難しかったことだろう。

 

このような分析の場合にオリジナルの動画が削除されてしまっていると、実に大変だ。

 

PDCAサイクルのCが難しい。

 

自分の記憶を頼りに回想して考えてみると、冒頭からエンディングまでの軸を一貫させることができなくて、視聴者の心にグッとこなかったことが理由の一つかもしれない。

 

一体、浦安の良さとな何なのか?

  

何のためにシティプロモーションを展開して、何を伝えたかったのか?

  

ここが非常に難しい。

 

観光地として人々を呼びたかったのか、それとも働き盛りの子育て世代の転入を促したかったのか。

 

便利な街、美しい街、この街には色々な魅力があるけれど、それらを盛り合わせただけでは人の心に響かない。

 

それらをアピールしすぎると嫉妬を生みかねないし、プロモーションが総花的になってしまう。

 

大人の都合があってディズニーを街のプロモーションに使えないということは脇に置いても、古き良き漁師町の歴史があるとか、素晴らしいことは確かだけれど全国レベルで考えれば非凡とは言えない何年に一回かの祭りをアピールしたところで、それが注目を浴びるとも思えない。

 

街の発展であったり、財政力の高さを支えてきた本質は何かというと、埋め立てによって土地が広がり、そこに働き盛りの高所得層が流入してきたというマシネリーだと思うわけだけれど、その点にフォーカスを当てて新浦安を前面に持ってくると、古き良き浦安の魅力が消し飛んでしまいかねないわけで、実に難しい。

 

陸橋を隔てて街の姿がガラリと変わり、しかも、元町、中町、新町という3つのエリアで街並みも住民全体の雰囲気も違う気がする。

 

そうなると、一つの動画に少なくとも2つか3つの側面を取り入れる必要があり、「浦安は、こんな街です!」というプロモーションにおいて柱を一つにすることが大変だと感じる。

 

その傾向は、地方創生の取り組みの中で提示された浦安市の総合戦略にも顕れている気がする。

 

「この街には、こんな魅力がある」という点が多すぎて、焦点がぼやけてしまうのではないだろうか。

 

自分としてはとても良い作品だと思ったけれど、この街で住んでいないと伝わらないような内容だったのかもしれない。

 

いくつかの素案を用意して、実際に市民に見てもらい、公開コンペティションの形で一つを選んでいたら、ここまで閲覧数が伸び悩んでいなかったと思う。

 

シティプロモーション動画が現在の状態にしっくり来ないと感じた場合、もちろんリニューアルは選択肢の一つだと思う。

 

そうなると、次の動画を用意しておいて、市民にアナウンスし、旧バージョンの動画であることを明記してネット上に残しておくという流れになるのではないか。

 

浦安市としては、今までの体制をリセットしたいという気持ちがあって、コストがかかるシティプロモーションは抑えたいという方針なのかもしれない。

 

あえてシティプロモーションを行わないという方針も骨太で面白いと感じるけれど、その場合には市民への説明が必要だと思う。

  

トップが代わって方針が変わったとしても、その街において大切な部分は変えないでほしいと願う。

 

自分としては、地方創生というのはとても大切だと思うけれど、プロモーション動画によってどれくらいの波及効果があるのかは分からない。

 

閲覧数が高くても、それによって街にメリットが生まれるのかどうかも分からない。

 

しかし、それぞれの街がプロモーション動画を公開してくれたことで、自分は日本全体の良さを知ることができた。

 

街の紹介となると同じような動画が並ぶのかと思ったけれど、色々なアイデアが取り入れられていて、本当に楽しい。

  

日本というのは、本当に美しくて、面白い国だと思う。

 

できれば、各自治体のプロモーション動画については、YouTubeではなくて日本の機関で一括して収集して、アーカイブとして公開してほしい。

 

ネット上のアフィリエイトサイトやバイラルメディアでまとめられている自治体のプロモーション動画は細切れの情報が多くて、もっと一気に動画を眺めてみたい。

 

せっかくなので、このエントリーでまとめる。

 

鳥取県 琴浦町

 

「じゃない方の浦安」のプロモーション動画。この動画の凄さというのは、今の若い人たちのセンスをきちんと理解していることだと思う。

 

それと、このパターンは場所に関わらずよくある話だ。

 

東京で生活していて、千葉県出身の女性と出会って、結婚して、千葉県に引っ張りこまれてしまう男性は多い。自分も同じパターンで、じゃない方じゃない方の浦安の市民になった。

 

 

愛知県 豊橋市

 

冒頭から迫力ある太鼓の音色と荘厳な祭りの光景から始まって、歴史と文化、産業がバランス良く調和した街だということが分かる。豊橋の真面目さと底力が伝わってくる正統派スタイル。

 

静岡県 伊東市

 

女子大学生2人の卒業旅行をテーマにしたのだろうか。街の魅力も綺麗に織り交ぜられていて、透明感がある。動画を見ていなくてもオリジナル音楽が耳に心地よい。

 

石川県 金沢市

 

やばい。映像が美しすぎて、悲しくないのに涙が出る。「金沢県」と間違えられるくらいの有名な街なので、プロモーションの題材が多すぎて困ったかもしれないけれど、上手くまとめている。

 

大阪府 阪南市

 

構成が荒い感じがするのだけれど、ラップで突き進む勢いに圧される。英語の字幕を入れるというのは、海外の旅行客などを意識しているのだろうけれど、とても大切だと思った。

 

神奈川県 鎌倉市

 

あえて閲覧者にアピールしないスタイル。鎌倉市には何度か行ったことがあるけれど、飾らない鎌倉市の「素の姿」を映している感じがする。

 

北海道 函館市

 

トラディショナルというか、もはやクラシックな感じのプロモーション動画。細かなナレーションがずっと続いている。最近の心に共鳴する感じの動画のスタイルが多い中、逆に行った感があって、むしろ個性的。

 

千葉県 南房総市

 

すごく楽しい。この動画を最初から最後まで観て、クスッと笑えない人は、たぶん心が疲れている。いや、疲れている人にさえ笑顔が訪れる感じ。現役の海女さんたちの素人な演技と、房総のガチな海産物のコントラストが面白い。

 

新潟県 柏崎市

 

初めて訪れる人に対して、丁寧に街の紹介を積み重ねた感じで、穏やかな気持ちになる。ナレーションが多いけれど、声質が優しくて、行政の動画でよくある「まくし立てる」感じがなくてリラックスできる。

 

熊本県 菊池市

 

懐かしい昭和の歌謡曲風のBGMが流れながら、一人の綺麗な女性が美しい街並みと癒しの雰囲気の中にひたるという感じ。

 

これだけ美人な女性が、どうして癒しを求めて一人旅をしているのか、その方が気になる。

 

岐阜県 関市

 

刃物の生産で有名な町ということで、ハナシ(刃なし)と話をかけているのかな。あまりたくさんのことを並べても伝わらないということで、テーマを絞って伝えるという最近のスタイル。

 

鹿児島県 志布志市

 

志布志市出身の教師が歌っていて、街のプロモーションは薄め。けれど、それが逆に新鮮な感じ。歌っている人のインパクトでアクセス数が増えている気もする。

 

今、気付いた。

 

それぞれの自治体のプロモーション動画について、自分がクドクドとレビューする必要がないことを。

 

そのまま並べていこう。

 

栃木県 大田原市

 

大阪府 柏原市

 

岡山県 津山市

 

佐賀県 佐賀市

 

ここからは、すでに自治体のプロモーションのレベルを遙かに飛び越えてしまって、すでにアートとかアミューズメントの作品になってしまっている感がある動画を並べる。

 

広島県 呉市

 

福岡県 柳川市

 

埼玉県 久喜市

 

兵庫県 伊丹市

 

宮城県 登米市

 

京都府 宇治市

 

行政の動画によくある早口でまくし立てるナレーションを逆手に取った感がある。

 

宮崎県 小林市

 

日本一有名なシティプロモーション動画。

 

もはや非の打ち所がない。

 

宮崎県 日向市

 

宮崎県内の自治体のプロモーション動画は、すごくレベルが高い気がする。

 

伝えたいことに焦点を絞り、最初から最後までのストーリーを大切にしている。いかにもな役所風のナレーションはどこにも見当たらない。

 

映画のワンシーンを見ているような構成。

 

ここまでネットが発達したご時世なら、知りたくなれば自分で調べることだろう。強烈なインパクトを先に提示して、それを導入とするわけだ。

 

それにしても、この動画、主人公が本当に痩せているとしたら、すごい努力だと思う。

 

実際にロードバイクやジョギングでダイエットに成功したお父さんたちが見ると、街作り以前に自分のことを思い出して感動するかもしれない。

 

三重県 御浜町

 

公式動画なのかどうか分からないけれど、シティプロモーション動画だとしたら、ありえないくらいに低予算で凄まじいインパクト。コストパフォーマンスは日本最強。

 

非常に素晴らしい自然があるはずなのに自作の紙芝居で紹介してしまい、ふるさと納税の特産みかんをアピールしていたのに、途中から紀州犬の話題になって、最後は紀州犬でフィニッシュという展開が面白い。

 

初音ミクみたいな電子音声のように聞こえるナレーションが不思議だったので町議会の動画を観たら、どうやら電子音声ではなくて、真面目に話すとこのような訛りになるようだ。 

 

宮崎県 宮崎市

 

またしても宮崎県内の自治体の動画。

 

心のストレスを鬼が退治してくれるって、なるほどよく考えられたコンセプトだ。

  

心が疲れたら、宮崎の旅行がいいと思う。

 

自分は出張で宮崎に行ったことがあるけれど、空港に降り立った時点で、すでに南国の雰囲気がある。

 

日本語が通じるのに、外国にやってきたような。

 

そして、温かい人たちに出会って、美味しい料理を食べて、温泉に入って、海や空を見て。

 

ATMと民放のテレビチャンネルの少なさにはびっくりしたけれど、宮崎でそれらを求めるのは無意味だ。

 

満腹のほろ酔いの上機嫌で露天風呂に入って、ふと見上げたら綺麗な星空があった時には、そう、この動画の気持ちになった。

 

そういえば、有名なコンピューターの会社のカスタマーサポートは宮崎にあるそうだ。ストレスがたまる仕事だとは思うけれど、この環境だったら疲れても回復できそうだ。

 

宮崎県 高原町

 

自分的には、シティプロモーションに関係なく最も感動するYouTubeの動画のひとつ。

 

何だろう、この全身で受け取ることができるくらいの透明感。

 

疲れた時に何かに感動して泣きたくなったら、すぐに泣ける。

 

とにかく映像が美しく、音楽も素晴らしい。ムービーの中の女性も素敵だけれど、視聴者に媚びた感じが全くない。

 

自分が空中を飛んでいるような不思議な視野も興味深い。

 

高原町は、天孫降臨伝説の神話で有名なので、神様の目線という体なのかな。

 

さて、ここまでたくさんの自治体のシティプロモーション動画を眺めてきた感想。

 

どの街も本当に素敵だ。

 

そして、たくさんの自治体が集まった日本は、本当に素晴らしい国だと思う。

 

真面目に、直向きに、一生懸命にコツコツと努力する感じ。

 

子どもの頃に感じた何か。

 

大人になって忘れてしまった何か。

 

古き良き日本から失われてしまったかのように感じた何か。

 

なんだ、ちゃんと残っていたじゃないか。

 

すごく安心した。

 

もう寝よう。