「美味しいハンバーガーのお店がある」と聞いて、浦安からロードバイクで江戸川の左岸を走り、利根運河がある流山市を抜け、利根川を渡り、茨城県取手市にある「ビッグ・スマイル」に行く

 

自分の名はフジヤマジロウ。

 

仕事と家事と育児の中でもがき苦しみながら、それでもロードバイクに乗って心身の安定を保ちつつ、何とか生きている四十路の父親だ。

 

自分は千葉県の浦安市に住んでいるけれど、平日は都内の職場との往復3時間の長時間通勤と平均5時間程度の睡眠時間、自分なりには出来るだけ努めているつもりの家事と育児の短い時間を除いて、意識があるほとんどの時間を東京都内で過ごしている。

 

千葉県民になった感覚があまりない。

 

さて、最近、自分はとあるエピソードをきっかけとして「街というのは、何だろう?」と深く考えるようになった。

 

今までに引っ越しを繰り返して、たくさんの街で生活してきた。

 

現在、日本トップクラスの財政力を有する浦安で生活していて、時期にもよるが毎晩のようにディズニーが花火を打ち上げてくれるわけだけれど、ふと素になって感じた。

 

「日本トップクラスの財政力の街で生活するというのは、この程度なのか?」と。

 

浦安市のことを卑下しているわけではない。

 

施設も素晴らしいし、行政サービスも素晴らしい。

 

街全体が清潔で、インフラも整備されている。

  

小中学校では、教室だけではなく体育館にまでエアコンが完備されている。

 

学習塾もたくさんあって、中学、高校、大学の受験対策も不安がない。 

 

夜間は必要あるのかどうか分からないくらいに街灯が燦々と光り輝き、街全体が明るい。

 

それと、自宅から歩けば、すぐに羽田空港に向かうバスに乗ることもできる。

 

逆もそうだ。

 

地方の大きな都市の駅前に行けば、「ディズニーランド行き」の高速バスの停留所を見かける。

 

これに乗って、後は寝ているだけで我が街、浦安に到着するわけだ。

 

ただ、自分は浦安に引っ越してくる前、あまり財政力が高くない街で生活したことがあったけれど、かといって「この街は駄目だ」と感じたことがなかった。

 

どのような街でも、たとえ都心であっても、たとえ地方の田舎町であっても、実際に住んでみるとその街の良さがあって、課題もあった。

 

その街で生活する上で、その街全体の住みやすさを論じることは必ずしも重要ではなくて、例えば、帰宅までのルート上にスーパーマーケットがあるかどうかとか、通学路で道路を横切る必要がないとか、そういった非常に細かなことを鑑みて住みやすさが決まるのではないかと。

 

自分が生活している浦安の新町エリアでは、最近、近くにあったイトーヨーカドーが閉店して、食品コーナーだけが再開した。

 

以前は、この中に衣料品が並び、クリニックや飲食店、ゲームセンターまであった。

 

浦安の新町というのは、なんと便利で住みやすい町だろうかと幸せだった。

 

現在、食品を買うことができるだけでも有り難いことだけれど、住み心地は悪くなった。

 

幸せの要素というものが大きく欠けてしまった。

 

たった一つのショッピング施設の閉鎖だけで。

 

医療機関やクリーニング店までなくなるというのは、さすがに厳しい。

 

靴下が足りないとか、ワイシャツをクリーニングに出したいとか、そういった大したことのない用事のために、かなり離れた新浦安駅前まで行くか、同じ新町の高洲地区まで行くか、ネットでオーダーするか。

 

少しくらい高くても近くのコンビニで買い物をしたり。

 

財政力があまり高くない自治体に住んだことがあったが、こんなに不便な思いをすることはなかった。 

 

街というレベルの話だけではないかもしれない。

 

四十路になって父親として思秋期を迎えると、いや思秋期を迎えなくても、人生そのものにおいて何が幸せなのか、ふと感じてしまうことはないだろうか。

  

人の幸せというのは、簡単に答えが出るものではないけれど。

  

自分の場合、客観的に見ると、往復の通勤時間が3時間を超えるわけで、特に地方の方がお聞きになると、一生のどれくらいの時間を通勤で使っているのかと哀れに感じることがあるかもしれない。

 

首都圏ならよくある話だ。

 

妻が実家の近くで生活できて通勤で疲れないように、子供たちがより安全で健やかに生活できるように、妻の両親が孫と触れ合えるようにと考えたら、こうなった。

 

自分の父親としての人生は、この状況を続けて、子供たちが自立するまで育てることだ。

 

しかし、サイクリストのお父さんたちが、「自分がロードバイクで通勤している」と聞くと、感じ方が変わってくることだろう。

 

ロードバイクを趣味にしている子育て中のお父さんたちにとっては、毎日どころか週末のライドの時間すら満足に確保できないことが多い。

 

それなのに、毎日3時間も自転車のトレーニングができるというのは、なんて幸せだろうか。

 

自分が一生を終えるまで、自転車で地球を何回まわることができるだろうかと考えると、とても楽しい。

 

同時に、通勤する度に、少しずつ脚力が強くなってくる。35km/h巡航の信号待ちインターバルを繰り返すと、全身が鍛えられて、両足の筋肉の形が変わってくる。

 

荒川サイクリングロードでは、向かい風が強いと30km/hの壁に苦しむことがある。

 

その壁がなくなって、向かい風が怖くない感じ。

 

これは凄い。

 

軽量ホイールよりも、DURA-ACEのコンポーネントよりも、レース用カーボンフレームよりも、ずっと速くなる。

 

毎日走っていたら、そりゃ、速くもなる。

 

体調にもよるけれど、朝が来ることが待ち遠しく、帰宅が楽しい。

 

そう考えると、人生というのは、ちょっとした考え方の違いで不幸せにも、幸せにもなってしまうのかなと。

 

それに気付くことができるかどうか。

 

そういったことを考えながら、通勤用のロードバイクの整備をやっていたら、ふと、少し前のことを思い出した。

 

浦安市というのは、あまり有名ではないけれどロードバイク乗りにとって絶好のロケーションだったりする。

 

荒川サイクリングロードと江戸川サイクリングロードに挟まれている上に、市内の道路は広くて街灯が明るいので、早朝や夜間のトレーニングも可能だ。

 

周りが平地なので、ヒルクライムが好きな人には不満かもしれないけれど、自分としてはこの環境がとても気に入っている。

 

そして、荒川サイクリングロードと江戸川サイクリングロードを比べると、自分は荒川サイクリングロードの方が好きだったりする。

 

荒川サイクリングロードの場合には、右岸を走って行った後、左岸を走って戻ってきたりと、ルートを変えることができる。

 

一方、江戸川サイクリングロードの場合には、右岸を走るルートしかなくて、道幅が狭く、ポタリング向きのルートだと、、、思っていた。

 

まだ肌寒い3月頃、サイクリングサークルでお世話になっている年上のメンバーの方から、「自転車で行ける距離に、美味しいハンバーガーの店があるんですよ。行ってみませんか?」とお声かけいただいた。

 

彼は自転車に乗って旅をすることを趣味にされていて、実にたくさんのルートをご存じだ。

 

しかも、自分の勝手な印象だけれど、さまぁ~ずの‎三村マサカズさんのような語り口で、とても楽しい。

 

浦安から往復で120kmくらいあるルートだけれど、ロードバイクなら何とかなる。

 

サイクリング仲間と一緒に出かけることにした。

 

浦安を出発して江戸川に入った時点で、自分は驚いた。

 

「江戸川って、左岸を走ることができたの?」

 

先導してくださったメンバーの方のルートマップを拝見すると、確かに江戸川の左岸にラインが引かれていた。

 

しかし、自分は江戸川の右岸ばかりを走っていて、左岸に自転車で走れそうなルートはないと思い込んでいた。

 

今まで見た景色と違って、全く反対側から江戸川を眺めつつ、ペダルを回す。

  

この光景を眺めると、釣り竿を持ってきて川辺でフィッシングを楽しむのもいいかなと思った。

 

江戸川の右岸と比較すると、左岸には車よけのゲートが多い気がしたが、通行人が少なくてリラックスして走ることができる。

 

たまに自転車レーンと歩行者レーンが完全に分かれていることがあるので注意が必要だけれど、その感覚が逆に新鮮で楽しい。

 

江戸川の左岸を走り続けて、途中で右折して利根運河に向かう。

 

スマートフォンで地図アプリを起動させて、たまに現在地を確認しながら道なりに走っていれば、利根運河の付近まであまり迷わずにたどり着く。

 

正確なルートを知りたい方には、ページへのリンクをご紹介する。

 

自分でルートを引いた方が楽しいと思うのでここでは紹介しない。

 

利根運河の看板が見える。

 

自転車の趣味を始めた頃だったら、ものすごく遠いと感じるかもしれないけれど、あまり労せずに到着した。

 

利根運河の横の道を走り続ける。

 

「へぇ、思ったよりも地味なんだな」と感じながら走り続けると、、、

 

 全然、地味ではない光景が広がった。

  

水辺を挟んだ水平方向と垂直方向の空間の広がりが、あまりにも美しい。

 

千葉県の流山市にたどり着いた。

 

「母になるなら、流山市。」「父になるなら、流山市。」のフレーズで有名だ。

 

流山市をワッショイするつもりはないが、この街の行政や市議会は、第三者機関による客観的評価のランキングにおいて、日本トップクラスになったりする。

 

現在、子育て世代が多く移り住んできて対応が大変かもしれないけれど、もう少ししたら落ち着くのではないだろうか。

  

確かに、結婚して子育てに入る男性が家族と共に生活する街を探していて、この光景を見たら、心がグッと引き寄せられることだろう。

 

水辺の公園で楽しそうに駆けまわる我が子の姿が容易に想像できてしまう。

 

千葉方面のライドの際には、流山市を通過することがよくあるけれど、本当に自然が多くて驚く。

 

都心への電車によるアクセスも確保できていて、通勤が可能だ。

 

その環境の良さと、子育て世代への配慮やプロモーションとを繋げた着眼点は非常に鋭いと感じる。

 

市の情報をオープンにして、市民のニーズを取り入れて。

 

そして、その取り組みの原動力となったキーパーソンのことを調べてみると、民間企業で活躍された方々が多い印象がある。

 

つまり、流山市が先進的な行政や議会運営を展開していると評価されることが多いけれど、そのバックボーンには民間のノウハウが移植されているのだと思う。

  

利根運河を抜けて、これから利根川を越える。

 

非常に広がりのある風景だ。

 

浦安には本格的な田畑がないので、こういった景色を眺めると心が癒される。

  

利根川にかかる長い橋を渡り、千葉県から茨城県に入る。

 

橋を渡りきった時、自分の中で不思議な感覚がやってきた。

 

なんだろう、このアウェイな感覚。

 

「そ、そうか、ここは、茨城なのか。。。」

 

家庭の都合で東京都から千葉県に移り住むことになり、年賀状に東京都と書くことができなくなり、親戚に電話する時に「東京の、、、」と言えず「浦安の、、、」という言葉から始める自分だけれど、気がつかないうちに千葉県民としての帰属意識が生まれていたことに気付く。

 

先導してくださったメンバーの方は、地理感覚が非常に優れていて、茨城県に入って右往左往している自分を引っ張ってくださった。

 

写真を撮っている余裕もなく、とにかく先頭に置いて行かれないようにペダルを回す。

 

そして、ビッグ・スマイルに到着した。

 

BIG SMILE - Home | Facebook

 

https://ja-jp.facebook.com/bigsmile2005/

 

四十路になるまで人生を過ごすと、年季が入った店構えを見るだけで、美味しい料理を出してくれるお店だということを察するようになる。

  

長い期間、商売を続けていられるというのは、そのお店がユーザーの信頼を得ているからだ。

 

そして、ロードバイクをどこに止めようかなとウロウロしていると、中から店員さんが出迎えてくださった。

 

女将さんだろうか。

 

そして、ヘルメットとグローブを外し、店内に入る。

 

目に飛び込んできたのは、とても趣のある小物類だった。

 

メンバーの皆さんからも「おおっ!」と驚きの声が挙がる。

 

自分は、こういった雰囲気が大好きで、凄く良い趣味だと思った。

 

自分たちは自転車でやってきたけれど、オートバイに乗った方々がツーリングの途中で訪れることが多いようだ。

  

この趣味的な雰囲気がたまらなく好きだったりする。

 

洋画のワンシーンに出てきそうだ。

 

革のジャンバーを着て、サングラスをかけた屈強なバイク乗りが、瓶で何かを飲んだりしている感じ。

 

片道60km走ってやってきた価値があった。

 

車を趣味にされている方々が家族連れで来店されることも多いようで、店内には笑顔のお客さんたちの写真が飾られていた。

  

さて、ハンバーガーを注文しよう。

 

このお店はご夫婦で経営しておられるのだろうか。

 

自分よりも若い感じのご主人がハンバーガーを作ってくださっている。

 

先導してくださったメンバーの方から、「ここのハンバーガーは大きいので、一つにしておいた方がいいよ」とのアドバイスが。

 

ベースとなるハンバーガーを選んでおいて、トッピングで卵やお肉を追加するようだ。

 

「まあ、いくら大きいと言っても、マクドナルドのクォーターパウンダーくらいかな」と思っていた。

 

両手でハンバーガーを持って、パクッと食べることが出来る感じの大きさをイメージしていた。

 

そして、ハンバーガーが運ばれてきた。

  

確かに大きい。

 

画面に入りきらない。

 

上半分。

 

下半分。

 

でかい。

 

横にしてみた。

 

上から下まで一気にかぶりつくと、確実にアゴが外れるくらいに大きい。

 

しかも、バンズやパテ、野菜の迫力が半端ない。

 

 確か、自分は卵をトッピングで追加した。

 

お肉が好きなら、ベーコンやパテをトッピングで何枚も追加することができる。

 

実に楽しい。

 

そして、自分は思った。

 

オプションを追加して自分好みのオリジナルを仕上げるという気持ちは、オートバイや自動車、自転車のカスタムに通じるものがあるのかなと。

 

浦安にも、こういった素晴らしいお店があるといいなと感じた。

 

そして、食した感想。

 

美味しい!

 

「え? ハンバーガーって、こんなに美味しかったっけ?」というくらいに美味しい!

 

付け合わせのポテトもサクサクだ。

 

コーラで乾杯。

 

大好きなロードバイクに乗って、仲間と一緒に走って、美味しいものを食べる。

 

自分にとってリラックスできる大切な時間。

 

一人でライドに行って飲むコーラと同じものなのだけれど、いつもより美味しく感じるのはどうしてだろう。

 

そして、利根運河を走りながら浦安に戻る。

 

メンバーの方からは「確かに、流山市って自然があって、一戸建ての価格もリーズナブルだし、いいですね。それと、浦安の方が生活していて便利かもしれないですね。どっちも良い街ですよ」というお言葉が。

 

どの街にも、その街の良さがあると自分は思っていたので、その言葉を耳にして安心した。

 

そうそう、以前はチネリのサエッタに乗っていたのだけれど、最近はストラトファスターに乗っている。

 

ツーリングに行く時にはシマノのRS-81、トレーニングのライドやレースではWH9000のDURAのセミディープホイールをアッセンブルしている。

 

最近ではグループライドが中心なのでサドルバッグは大きめで、中にはパンク修理キットだけでなく、一通りの修理を行うための工具とか、大型の絆創膏や三角巾といった応急処置キットまで入っていたりする。

 

深夜にブログ記事を書いていたら、お腹が空いてきた。

  

三十路でポッコリお腹の体型だったのに、ロードバイクを始めて、四十路で身体が引き締まるとは、当時は予想もしていなかった。

 

今、食べると筋肉に良くないので、もう寝よう。