震災の液状化で浦安の水道が止まった時、実際に使っていた高吸水性樹脂・猫砂・厚手ビニール袋を用いた非常用簡易トイレの作り方

 

2016年5月1日

 

熊本地震が発生した時、自分の頭の中で蓋をしていた記憶が蘇った。

 

東北地方太平洋沖地震による東日本大震災。

 

自分の世帯は、千葉県浦安市で被災した。

 

職場がある都内では、鉄道が止まって帰宅が困難になった人達で歩道や道路が混み合っていたが、大きなダメージは認められなかった。

 

しかし、懸命に歩いて帰宅した自分の目の前に広がっていたのは、液状化によって崩れた新浦安の姿だった。

 

当時住んでいた場所は、中町エリアの美浜地区の美浜東エステートという団地だった。

 

浦安に引っ越そうとして、ふと立ち寄った、じゃない方の不動産業者の店員さんが自分にこう言った。

 

「JR新浦安駅近辺の団地は、築年数が経っていて賃料が割安です。リフォームから年数が経っている部屋は、色々と古いです。けれど、ここだけの話ですが、これらの団地は、日本の景気が良かった頃に建てられたので、建物も基礎もタフに作られていますよ。大きな地震が来ても耐えると思いますよ。」

 

「それと、ほら、静かに上を眺めて見てください。ベランダとか通路とかに人の気配があるでしょ? 団地の隅々まで人の目があるという状況は、防犯の面でとても大切なのです。不審者がいればすぐに見つかります。道路一本を挟んで浦安警察署があります。この団地は駅前ですが治安が良いですよ。」

 

日本のバブル景気の崩壊を経験した団塊ジュニア世代の自分は、不動産業者のセールストークを敏感に感じ取る。

 

不動産業者としても生活がかかっているので、デメリットばかり紹介すると契約件数が減ってしまうので大変だと思う。

 

 

人間というのは、何かにフタをして良い面ばかりをアピールしようとすると、表情の中に一瞬の変化が出ると思う。特に、質問をされた時の眼の動き、口の形。

  

じゃない方の不動産業者の店員さんから美浜東エステートを紹介された時、以前から浦安に住んでいる人からも同じようなアドバイスをもらったことがあった。

 

その店員さんの評価があまりに高いので、さすがにセールストークだと思ったが、何やら目がマジだ。

 

「この物件は賃料が割安なので、早く契約しないと、次のお客さんが決めてしまうかもしれません」というのも、不動産業者がよく使うフレーズだが、その店員さんの表情が鬼気迫っている。

 

実際に住んでみたところ、この団地は驚くほどに住みやすく、治安も良かった。確かに内装は古かったが、妻はあまりそのようなことを気にしない。

 

それと、自治会の回覧板を渡しに隣のお宅を訪れた時、内部をカリカリにリフォームしていて驚いた。

 

そのお宅にお邪魔すると、新町エリアの新築マンションの一室ではないかと思えるくらいの状態だった。このギャップは凄いと思った。

 

最近では、築年数の経った古い団地の物件を割安で購入して、自分が望むスタイルにリフォームするという傾向があるようだ。そのためには、物件がタフであった方がいい。

 

新浦安駅近辺の団地群は、その条件を充たしていると思った。今は、少子高齢化が進んでいる団地が多くなってきた気がするが、一度、ムーブメントが生じれば、これらの団地に若い子育て世代が戻ってくる気がする。

 

そして、入居後しばらくして、東日本大震災がやってきた。

 

店員さんの話は本当だった。美浜東エステートは、実にタフだった。

 

自分が入居していた棟ではダメージが見受けられなかった。建物が傾くこともなく、上下水道管やガス管も地震に耐えた。その他の棟でも大きな被害があったという話を聞かなかった。

 

この団地の外装のカラーリングは、建物の古さを逆にアピールしている気がしなくもない。ここまで来ると、強固な内部構造や穴場物件であることを、レトロな塗装によってカモフラージュしているのではないかと思えるくらいだった。

 

敷地内の歩道や駐車場などは液状化の影響があったが、地面にしっかりと根を張った大きな樹木が敷地のダメージを低減していた。

 

自分は思う。

 

新浦安駅近辺の団地群は、その良さをもっと見直されるべきではないかと。

 

新浦安駅近辺の団地は、確かに築年数が経っているし、若い人たちから見ると新町エリアの新しいマンションの方に目が行ってしまうかもしれない。

 

しかし、実際にその団地で生活していた自分としては、これらの住居は敷地内に広い公園やスポーツ施設があることが多く、非常に生活しやすかった。

 

小さな子供達が安全に遊べるスペースが多かった。

 

通勤のために駅と自宅を往復する距離が短く、その動線の近くにショッピング施設がある。驚くほどに利便性の高い住居だった。

 

人の目が行き届くので、不審者が入ってくればすぐに見つかるし、すぐ近くに浦安警察署がある。駅近くなのに治安も良い。

 

しかも、これらの団地には、埋め立てによる街の発展において新浦安に引っ越してきた第一期の住民、すなわち現在のシニア世代が文化を築き上げてくださっている。

 

ノスタルジックな自治会の夏祭りなどは、故郷から離れて浦安にやってきた今の父親達の心にも響くと思う。

 

団地の住民の皆様も故郷を離れて新浦安に根付いたことが多かったことだろう。他の自治体からやってきた子育て世代を温かく包みこんでくださった。

 

産まれたばかりの子供が夜に泣いても、シニア世代の皆さんからクレームが来たことはなかったし、ベビーカーを押してエレベーターに乗ろうとすると、シニア世代の皆さんが微笑みながら乗り降りを助けてくださったこともあった。

 

子育て世代は少なかったが、お互いにとても仲が良かった。

 

中町エリアと新町エリアというのは、入船地区と日の出地区の境目においてガラッと雰囲気が変わる。

 

新浦安駅近辺の団地で生活していれば、コミュニティとしては団地の中の人たちと繋がる。新町エリアや元町エリアとの交流はあまりなかった、というか、ほとんどなかった気がする。

 

当時、妻の友達の多くは、中町エリアの美浜エステート群や、入船エステート群の奥さんたちだった。

 

新町エリアに引っ越してからも彼女たちとの繋がりは残っていて、たまに集まって親しげに話をしていたりもする。

 

中町には中町の、新町には新町の良さがあるのだが、リラックスした雰囲気が中町の良さなのかもしれない。

 

それと、新町エリアで生活している今と比べた時、中町エリアの場合には、世代と世代の間の繋がりがより強かった気がする。

 

埋め立て事業によって他の自治体から浦安の中町エリアに引っ越してきた団塊世代付近の第一期の住民。

 

その世代のお子さんたちが浦安二世として居を構え、浦安三世の子供たちを育てていたりもする。新しく浦安に引っ越してきた子育て世代も、自然とその雰囲気の中で生活しているからなのかもしれない。

 

 

震災が起きた時、幅広い世代同士の繋がりの存在は非常に大きかったと思う。

 

シニア世代の皆さんが自治会をまとめ上げ、浦安市と復旧について調整し、子育て世代を守ってくださった。

 

子育て世代も積極的に団地の敷地内の復旧に取り組んでいたし、力仕事などの面で、お年寄りを気遣っていた。

 

若い人たちばかりで構成された街というのは、住居としては偏りがある状態だと思う。

 

お年寄りや小さな子供を含めた様々な世帯の人たちが集まっている状態が、街の本来の姿だと感じた。

 

液状化が起こった時、浦安の新町エリアや中町エリア、いわゆる新浦安では、ガスと水道が止まっていた世帯と、水道だけが止まっていた世帯があった。

 

美浜東エステートでは、水道は止まっていたが、ガスや電気は使える状態だった。ガスが使えると言っても、水がないので風呂を沸かすことはできなかった。

 

団地の水道が使えなかったが、近くに点在している公園の水道は部分的に使える状態だった。ペットボトルやバケツを持った近隣住民の皆さんが長い列をつくって水をくんでいた。

 

その水をガスコンロで温めて、少しずつお湯をベビーバスにためて、小さな子供を洗った。

 

うちの子供は離乳食を終えていない状態だったので、液状化といっても何が起こったのか分かっていない。久し振りにベビーバスに入れられて、上機嫌だった。

 

当時は凄まじいストレスだったが、今から思い返すと、何だか心温まる育児のエピソードだ。

 

水道というのは、ライフラインの中で最も大切な存在の一つだ。まさに命に関わる。

 

歩いて浦安に帰りながら妻に電話をかけると、「飲み水はストックがあるけれど、トイレが使えなくて困っている」という返事だった。

 

近くに住んでいる人から、ポリ袋と吸収材がセットになった携帯トイレを分けてもらったそうだが、このままではすぐに限界が来ると心配していた。

 

とりあえず、震災当日はその状態で過ごして、翌朝に公園のトイレに行った。カオティックでロックな状態になっていた。

 

浦安市役所は不眠不休のような状態で必死に街の機能を取り戻そうとしていたが、仮設トイレの設置が間に合わない。

 

仮設トイレが到着したところで、清掃するための水さえ不足している状態だ。住民がひっきりなしにトイレを使用すれば、そこがどのような状態になるのか予想できた。

 

ということで、自分は、早々に仮設トイレを使用しないことに決めた。

 

震災において、排泄に関わることは非常に大きいと思った。

 

上下水道が止まった状態でのトイレの使用は衛生面でも重要な課題だが、被災した人たちの精神面での負荷も大きい。

 

まだ授乳が完全に終わっていない子供がいる状態。

 

このままでは食事を作ることも、妻が身体を拭くことも、子供を風呂に入れることもできないので、街中を自転車で走って使えそうな水道を探した。

   

一方、通勤のための電車は動いていたし、職場でも働けるような状態だった。

 

他の自治体に住んでいる同僚の多くは、電車の遅延や停電こそあれ普通に生活していた。

 

しかし、浦安に住んでいる自分が帰宅するとライフラインが止まっている。「いや、僕、被災しちゃいました」と他の自治体の人に明るく振る舞っても、周りが気を遣って笑えないくらいの状態だった。

 

本当にショックだった。

 

砂泥の上を歩いて帰りながら、浦安に引っ越したことが間違っていたのかと自問自答する余裕もなく、とにかく、仕事と家庭を維持するだけで精一杯だった。

 

では、自分は本当に不幸だったのかと振り返ってみると、不幸には違いないが、家族が無事だったし、大切な体験をしたと思う。

 

経済的な出費を含めて大変な苦労をしたが、ライフラインの大切さや自然の脅威、そして市民が一緒になって同じ方向に向って頑張るという空気を体感したことは、自分の人生において大きなエピソードになった。

 

また、街にとって本当に必要なものというのは、人の心だと実感した。

 

自分がどうして浦安に住んでいるのか?

 

この街の本当の魅力は、ディズニーや財政力、施設、サービスではないと思う。

 

様々な自治体から集まってきた市民の皆様のアクティビティ。

 

街全体に広がるモチベーション。

 

そういった空気が自分の気持ちを高めてくれる。

 

震災後に浦安を離れた市民もたくさんいたけれど、自分の世帯は今でも浦安に住んでいる。

 

直下型地震がやってきた時、浦安は耐えることができるのか否かは不安だが、浦安には自分の仲間が住んでいるし、シニア世代を含めて、たくさんの知り合いがいる。

 

そういった繋がり自体が自分の一部であり、生きてきたことの証だ。

 

仕事で消耗して深夜に浦安に帰ってきても、同じように仕事を頑張っている同世代がたくさんいる。これが自分だけだと辛いが、周りが元気だと、自分も元気になれる気がする。

 

浦安市民っぽく熱くなったところでトイレの話に戻る。

 

上下水道が止まってトイレが使えなくなった時、自分はふと感じた。

 

トイレに関しては、水が流れないだけで、便器自体は無事だ。便器が損傷を受けて使えなくなる状態であれば、よほどトイレが特殊な場所にある場合を除いて、もはや家に住むこと自体が危険だ。

 

しかし、便器は生きていた。

 

人間というのは不思議なもので、何とかしなくてはいけないと思った時には、頭の中がフル回転する。この便器を使って簡易トイレを作れないものだろうかと。

 

今はどうか分からないが、自分が小学生の頃に図書館で読んだアウトドアの本には、自然の中でトイレを作る方法が書いてあった。

 

穴を掘って、少しずつ上から落ち葉や土をかぶせるという方法だった。便器が無事だということは、穴を掘る必要もない。

 

「そうか、あれに近いことをやればいいのだ」と、近くのホームセンターであるケーヨーデーツーに買い出しに行った。

 

そう言えば、浦安市が液状化に襲われた時に、浦安市民がどうやってトイレに対処したのかというネット記事が少ない気がする。

 

シティブランドとしてはマイナスかもしれないが、それについて論じないことで、むしろ浦安に住もうかと考えている人達に不安を与えているかもしれない。

 

何事も、デメリットに触れない状態でメリットばかりをアピールすれば、それはゴリ押しになりかねない。

 

今の子育て世代はそういったゴリ押しを嫌う傾向にあるだろうし、デメリットを隠してメリットばかりを過剰にアピールしてワクワクさせようとしても、考えていることは見透かされてしまうと思う。

 

「この街にはこのようなメリットがある。そして、このようなデメリットもある。その上で判断してほしい。」という、ドシッと両足を地面に落ちつけた態度の方が、潔くて心にグッとくると思う。

 

浦安には、液状化のデメリットを越えるだけのメリットがある。それらの情報にバイアスをかけずに、正確に発信することができれば、この街に人が戻ってくると信じる。

 

金を使うことを先に持ってくるのではなくて、頭を使うことを先に持ってくるべきだ。

 

また、デメリットに対しては、どのような対処があるのかを明確にしておくことも大切だと思う。

 

人の心理というのは、対処法が分からないボンヤリとした不安を恐れる傾向があると思う。

 

例えば、将来、地震によって浦安が液状化を起こし、トイレが使えないリスクはゼロではないとすると、実際にトイレが使えなくなったらどうすればいいのか。

 

そういった細かな点について一つずつ対処法を積み重ねることが大切ではなかろうか。

 

今、この瞬間、若い夫婦が浦安に住もうかと考えたとする。ネットで物件を調べたとする。ベッドタウンとしての立地や利便性は優れている。

 

しかし、この街は、過去に液状化でダメージを受けた。自宅を構える際には保証人が必要な場合が多い。

 

その夫婦が実家の両親に相談したとする。実家の両親が浦安市民であれば別だが、他の自治体の市民であれば、素直に納得するだろうか。

 

さらに、女性的な目線で考えれば、もしも液状化でトイレが使えなくなり、新聞紙やペットシートに排便してゴミとして出す姿をイメージすれば、やはり、他の自治体が選択肢になってしまうかもしれない。

 

他方、液状化というリスクを考えた上でも浦安に住みたいと思った時、「なんだ、トイレが使えなくなっても、何とかなるじゃないか」と感じてくれれば、浦安への転入について一歩を踏み出すきっかけになるかもしれない。

 

 

自分の世帯の場合にはトイレの水が流れなくても困ることはなかった。かなりエキサイティングな状況だと思ったが、浦安市民の自分が惨めだとも思わなかった。

 

仮設トイレを一度も使わなかったし、自宅のトイレで快適にオシッコやウンコをしていた。

 

妻と結婚して、彼女から面と向かってほめられたことも、自分と結婚して良かったと言われたことも数少ないが、夫が器用に非常用トイレをつくったことだけは今でも高い評価を受けている。

 

素になって考えると、「私の家では、トイレが使えなくなって、こうやってウンコをしていました!」と、全世界に向ってネットで堂々と言える新浦安の市民は少ないだろうし、対処の方法は、人それぞれだったことだろう。

 

繰り返しになるが、震災時においては、食料や飲料水、衣類といった面が注目されがちだと思うが、最も大切なことの一つが、トイレだと実感した。

 

入るものは少しぐらい我慢できても、出るものは我慢が難しい。

 

これは浦安だけの話ではなくて、震災等でトイレが使えなくなった時に役に立つ情報かもしれないので残しておく。

 

熊本地震が発生した時、すぐに経験談を紹介しようとしたのだが、何かのきっかけで情報が広がって、それによって在庫が尽きたら申し訳ないと思ったので、少し公開を遅らせて、熊本の知人達に最初に伝えておいた。

 

しかし、落ち着いて考えてみると、このブログには大した情報発信力はないと気づいた。 

 

自分の子供達が大きくなった時、このブログを読んで、「ああ、情けない父親だったけれど、少しは家庭のことを考えていたんだね」と言われることを信じて、備忘録のような感じで記録に残しておこう。 

 

自宅で用意している震災グッズ。

 

被災した当時は、中町エリアの美浜地区に住んでいた。

 

その後、子供が近くの保育園に入れず、新町エリアの保育園に決まってしまったので、新町エリアの日の出地区に引っ越した。

 

中町エリアの団地群と比較して、新町エリアのマンション群は住居の価格が割高だと思ったし、自分は新町に住みたいと思ったことがなかった。

 

しかし、保育園の送迎のために、毎日、美浜地区から日の出地区を往復することに疲れたので引っ越した。

  

日の出地区は、南側(日の出南小学校の学区)と、北側(日の出小学校の学区)がある。

 

自分の世帯は日の出小学校の学区、、、日の出北とでも言おうか、、、に住んでいるが、実際に生活してみると、驚くほどに便利で住みやすい。人間関係もドライで楽だ。

 

第二期の埋め立て事業によって、新町エリアが誕生した時、日の出地区の開発の中心となったのが、日の出小学校の学区だったようだ。航空写真を時系列で見てもよく分かる。

 

そのため、都市計画において、バス網やショッピング施設、公民館、公園といった様々なものが、この地区を取り囲む形でデザインされたように思える。

 

新町エリアなのに、マイカーがなくても生活しうるくらいに利便性が高いと実感する。

 

しかし、液状化の被害が大きかった新町エリアにおいて自分たちの家族が生活していることを忘れてはならない。

 

家族を守る父親としては、非常時の備えが大切だと思う。それが、父親の本能だ。

 

「えー、そんなの、地震がやってきた時にホームセンターで買えばいいじゃない」と思う人がいるかもしれないが、それは考えが甘い。

  

非常時の人間の心理というのは時に残酷だと思ったが、関連する商品はあっという間になくなって売り切れていた。

 

飲料水が不足して、普通ならば飲まないくらいの量のアロエ入り飲料のペットボトルを抱えてレジに並んでいる老紳士までいた。

 

計画停電が始まろうとしていた時には、ホームセンターが開店したと同時に電池コーナーに向ってダッシュしたり、自宅に何本のろうそくを立てるのかと驚くくらいにろうそくを買っている人もいた。

 

あの光景というのは凄まじかった。

 

ということで、最初に買って備えている。

 

ラジオやコップ、電池、ライトなどが入っている。細々とした食品や飲料水の類は、このストッカーに入れずに、多めに買って少しずつ消費と補充を繰り返している。

 

ここに写っていないが、震災時に大切だと思った存在がある。

 

食品用のラップ、子供乗せ自転車、千円札、一時的に避難できる場所だと思う。

 

サランラップやポリエチレンラップを皿の上に乗せて使うと、食器を洗わなくても済む。復旧作業にどれだけの日数がかかるのか分からない場合、どれだけの紙皿のストックが必要なのかも分からない。ラップはかさばらないので多めにストックが可能だ。

 

それと、中町エリアで水が止まった時、市内に点在する公園の水道だけは生きていた。

 

近くの公園に水を汲みに行く時は自転車が便利だった。

 

子供乗せ自転車のキャリア部分は水を運ぶ時に非常に便利だったし、自転車自体が重い子供を乗せるように設計されているので、重心が安定していた。

 

千円札というのは、阪神淡路大震災で被災した人から教わった。浦安の場合には、そこまでの事態にはなっていなかったし、都内の職場に行けば現金を引き出すことができた。

 

しかし、阪神淡路大震災の時には、キャッシュディスペンサーすら使えないダメージを受け、お金を引き出すこともできないし、おつりも出ないことがあったそうだ。

 

避難場所も大切だ。浦安では以前よりも震災に強い街づくりが行われているが、どんな状況になるのかを完全に言い当てることは難しい。

 

高洲地区にはマンホールモニュメントというものがある。あのマンホールには耐震性貯水槽が連結されていたはずだが、震災時には使えなかったそうだ。

 

高い予算を投じたにも関わらず、実際に使えなければ悲しい。想定外と説明されて市民が納得するとも思えない。

 

 

もしも復旧が長期にわたる場合には、妻や子供をどこかに避難させ、生活のために父親だけで自宅に残るというオプションがある。

 

奥さんの職場や子供の学校等の都合があるけれど、一時的に避難できる場所を決めておくと安心だと思う。

 

賃貸住宅に入居しておいて、どう考えても生活を続けられない状況になれば他の自治体に引っ越すという最終手段もあるだろうけれど、マイホームを購入した市民の皆様のお気持ちを察すると、声を大にして言いたくはない。

 

下のストッカーには重いものを入れてある。

 

水道が止まった時に、給水地点から水を運んでくるためのタンク。

 

震災当時にはペットボトルをかき集めて水を汲んで来たが、あらかじめ用意しておこうと思った。

 

ペットボトルやタンクに水を入れて子供乗せ自転車で自宅に運搬すると、あまり苦労せずに水を用意できる。

 

厚手のビニール袋。

 

浦安で被災した時には大活躍した。

 

詳しくはこれから書く。

 


厚手のビニール袋は想像以上に丈夫だったので、色々なことに使えた。

 

トイレで水を流せない時には、この袋を洋式便器にかぶせると、そこで排泄することができた。

 

このようなタイプの袋は、水分をはじく性質があるようで、しばらくすると尿は袋の底の方に落ちて集まっていた。そこに吸収材を置いて固めて、袋ごと燃えるゴミの袋に入れれば、中身が漏れることもなかった。

 

このビニール袋をしっかりと閉じておくと、そこから気体が拡散することもなかった。燃えるゴミの袋の場合には、尿や便を入れておくとそこから臭いが出てくる気がした。

 

それと、自分の世帯の場合には、ライフラインの復旧に時間がかかると判断した時点で、妻と子供を一時的に自分の実家に避難させた。

 

実家の両親が車で浦安まで迎えに来てくれたのだが、育児中には驚くほどに多くの衣類やベビー用品が必要になる。梱包用の段ボールや大型のスーツケースを用意している余裕がなかった。

 

そんな時も、この束から新しい袋を取り出して、衣類などを詰め込んで、車の中に放り込むだけでよかった。

 

また、水道が使えなければ洗濯もできない。市外のコインランドリーを使う時にも、衣類をこの袋の中に入れてサンタのように肩にかけて運び、洗濯が終わった衣類を新しい袋に入れるだけで済む。非常に便利だった。

 

小さな子供が袋で遊ぶと危険なので、震災グッズの下の段に入れて開けられないようにしている。

 

小さな子供がいる家庭では常備されているかもしれないペットシート。

 

自分がどうしても頭を洗いたくなった時、バスタオルを洗濯する余裕もなかったので、髪の毛を洗った後、これで吸水した。

 

大人は風呂に入れなかったが、小さな子供をベビーバスに入れて洗った時には、床にこのシートを敷いたこともあった。

 

ただ、個人的には、ペットシートを非常用の簡易トイレに使うのはあまりお勧めできない。

 

ペットシートで吸収できる尿の量が少なかった。

 

便器にペットシートを敷いて排尿すると、シートが尿を十分に吸収できなかったので、上から逆向きに新しいペットシートをかぶせたのだが、それでも吸収できなかった。

 

唖然とした。

 

文章で説明しても分かりづらいと思うので、実演してみる。

 

実物で説明してしまうと問題があるので、ペットボトルで試す。

 

私感では、これくらいの尿の量で一度止めて、もう一度、新しいシートを重ねる必要があった。

 

しかも、消臭成分が入っていなかったので、しばらくすると臭ってきた。

 

それでも、尿については何とかなることがあったが、大便をした時に困った。頭の中で、新しい世界への扉が開くようなショックがあった。

 

すぐにビニール袋を閉じないと、臭いがトイレの中に充満する感じがしたし、便をゴミとして捨てる時にも悲しい気分になった。ゴミを捨てようとしてポロッと出たらどうしようかと思った。

 

ということで、自分の場合には、非常用トイレにおいては、ペットシートを一度使っただけで、それ以後は使わなかった。

 

想像以上に絶大な効果があったが、デメリットも大きかったのは猫砂だった。

 

先ほどの厚手のビニール袋を便器にセットして、尿や便にふりかけるだけで、かなりの勢いで水分を吸収してくれた。

 

しかも、猫砂は消臭力が非常に高かった。便に猫砂をかけると、周りをコーティングする形になった。

 

ただし、猫砂には大きな課題があった。

  

人間の尿をすべて吸収するためには大量の猫砂が必要になった。尿や便を含んだ猫砂を便器から持ち上げるだけで、かなりの背筋力が必要だった。

 

これを燃えるゴミの袋に入れて、集積場まで運んでいる時、袋が破れたらどうしようかと不安になった。

 

ゴミを運搬しているスタッフの方々の疲労も増えると思った。

 

しかも、写真の猫砂の主成分は、鉱物系のベントナイトだ。

 

浦安市のごみゼロ課に相談したところ、燃えるゴミとして出しても構わないという話だったし、千葉市では猫砂は一般的に燃えるゴミとして処理されている。

 

ただ、ベントナイトというのは、粘土みたいなものなので、非常に重い。しかも、厳密に言うと燃えない。

 

震災当時は、ビニール袋と数袋の吸収材がセットになった、いかにもな携帯用トイレを使ったこともあったが、あまり役に立たなかった。

 

いかにもな携帯トイレというのは、あくまで単数回の非常用だと思う。

 

ライフラインが止まった家庭で使うには無理があった。

 

 

しかし、吸水性の樹脂をビニール袋の底に入れておくと、想像以上に尿を吸収してくれた。

 

猫砂だけで頑張るのは非常に大変だったので助かったが、ストックが足りなかった。

 

震災が発生してすぐに購入しようとしても、すでに在庫がなかった。

 


最近では、このような吸水性の樹脂が販売されていて、自分も実際に買ってストックしているが、400gで20回分。素晴らしい製品なのだが、価格が思ったよりも高い。

 

浦安市が液状化のダメージを受けた時には、市職員や業者が必死に復旧を行い、東京都などの支援を頂いた状態でも、水道の復旧には結構な時間がかかった。

 

復旧するまで吸水性樹脂の残量が保たれていれば何とかなるが、その前に尽きた場合には仮設トイレに行くか、重い猫砂に耐える必要があった。

 

自分の場合には、吸水性樹脂がすぐになくなったが、どうしても仮設トイレを使いたくなかったので、猫砂を使い続けた。

 

小さな子供がいる夫婦くらいならば、この吸収材と厚手のビニール袋をいくつか買っておけばいいのかもしれない。

 

しかし、子供が育ってきたり、家族が多い世帯の場合には、結構な量をストックしておく必要があるだろうし、さすがにコストがかかる。

 

施設レベルになってくるとコスト面でさらに厳しいかもしれない。

 

震災を経験した後で、色々と熟考しつつ、安くて性能が良い吸水性ポリマーを探した。

 

そして届いた。

 

高吸水性樹脂 CP-1

 

どうやら、メイド・イン・ジャパンのようだ。

 

うちのブログは商用サイトでもなければ、アフィリエイトサイトでもない。製造元や販売元の企業との間に営利関係は一切ない。

 

そのため、この商品のリンクは紹介しない。検索すればすぐに出てくる。

 

この樹脂は、購入した当時、4kgも入って4千円もしなかった。

 

ビニール袋と少量の吸収材がセットになった、いかにもな携帯用トイレがどれだけ高いのかが分かる。

 

浦安に引っ越してきてから、ロードバイクを通じてたくさんの仲間ができた。子供の友達も増えている。

 

自分だけでなく、他の世帯を助けることも想定して、二袋買っておいた。

 

震災がやってきて、便意を我慢しながら資料を読んでいる暇もないので、データシート等を読んでおく。かなり詳しい説明が記載されている。

 

しかし、自分の場合には、いくら資料が目の前にあっても、実際に試さないことには信用しない。

 

ということで、高吸水性樹脂 CP-1を実際に使ってみる。

 

「信じられないのなら、どうぞ試してくださいよ」と言わんばかりに、CP-1が小袋に入っていた。

 

早速、CP-1をプラスチックコップに入れて、実際に試してみることにした。

 

CP-1は、1gで、300ミリリットルの水を吸水できるそうだ。

 

本当だろうか?

 

とりあえず、これくらいの量のCP-1があると、コップ一杯分の水くらいならば吸収できる計算になる。

 

粒子の大きさは、塩粒よりも大きいくらい。粉塵になって舞うこともなさそうだ。

 

少しずつ、水を入れて状態を見ていく。

 

この程度では、かなりの余裕がある。

 

さらに水を入れていく。

 

CP-1は、すぐに水を吸収して固まった。

 

コップに半分くらいの水を入れてみる。

 

全然、平気だ。

 

コップ一杯まで水を入れてみる。

 

コップ一杯分の水を吸収して固まった。

 

水の入れ方が均一でなかったため、底の部分に乾いたCP-1が残っている。その状態でも水をホールドした。

 

この樹脂には色々なアプリケーションがあると思った。仮設トイレにおいて尿や便が飛散している時の掃除に使えるかもしれない。

 

また、病院や学校などにおいて大人や子供が嘔吐した場合には、この樹脂を吐瀉物にふりかけることで掃除が楽になるかもしれない。

 

長距離のドライブの際には、CP-1をペットボトルに入れておくと何かと安心かもしれない。しかし、その後でどうやって捨てるのかは各自治体の判断になるかもしれない。

 

ただし、CP-1には消臭効果がないようだ。

 

季節にもよるが、尿を吸収させたままの状態でしばらく放置すると、かなり臭いが気になる。

 

しかも、先ほどの吸水性樹脂にも言えることだが、震災時に実際に使った感想としては、樹脂が尿の色で黄色になった。精神面でのストレスもある。

  

特に困るのは、大便をした時だ。非常時において、貴重な樹脂の使用は出来る限り節約したい。

 

その状態で、大便の上にふりかけていっても、粒子が細かいので大便の形が残る。しかも、樹脂に消臭剤が配合されていても想像以上に臭った。

 

開き直ればよいのかもしれないが、特に、女性が簡易トイレを使用する時には抵抗があると思う。

 

ということで、先の震災において重いながらも活躍した猫砂を備蓄しておく。

 

猫砂自体の吸水性はあまり高くなかったが、消臭性は非常に高かった。しかも、粒子が粗いので、便の上にふりかけておくと、その形が分からなくなった。

 

尿を吸収した樹脂をマスクする際にも使えると思う。

 

確かに猫砂だけで簡易トイレを作ると、重くなって処理が大変だが、高吸水性樹脂で尿などの水分を吸収させた後、その上に猫砂をふりかけるくらいならば何とかなる。

 

震災時は鉱物系のベントナイトの猫砂だったので、非常に重い上に処理に悩んだ。

 

今回は燃えるゴミとして処理できる木製のタイプを用意する。ベントナイトも含まれているようだが、浦安市ごみゼロ課の課長補佐の話では、猫砂は千葉市と同じように燃えるゴミ扱いなのだそうだ。

 

高吸水性樹脂で水分を固めた後、猫砂をかけるという組み合わせは、非常時に自宅で簡易トイレを作る際に重宝する。

 

ただし、高吸水性樹脂や猫砂だけでは不十分だ。それらを入れる袋が必要になる。

 

洋式便器に取り付けられるくらいに大きくてタフなゴミ袋と、排泄後に拭いた後の紙等を捨てるためのゴミ袋も用意した。

 

ここまで来たら恥ずかしさもないので記録しておく。

 

水が止まって風呂に入れない状況においては、何とかして水を調達し、手足や髪を洗うと気持ちが楽になる。

 

手足や髪については、人前でも気楽に洗うことができる。

 

しかし、気楽に股間を洗うことができない。

 

自宅で待機している場合には風呂場で洗えばよいのだが、調達した水に限りがあり、これからどうなるかも分からない状態では、なぜか股間を洗う気持ちがわかなかった。

 

気楽に風呂に入ることができる状況であれば、トイレットペーパーで十分なのだが、今一つ綺麗になった感がなかった。

 

避難所に集まった場合には、さらに深刻だと思う。そうした小さなストレスが、被災者の心を削っていくと思った。

 

東日本大震災の当時、ちょうど子供がおむつをしていたので、自宅に多めのおしり拭きがあった。おしり拭きは、非常用の簡易トイレをつくった時にも重宝した。

 

写真のおしり拭きは、現在使用しているトイレに流せるタイプだが、震災当時には流さないタイプだった。

 

それと、上の写真には、動物用のウェットティッシュが写っている。震災当時、自分は、簡易トイレを自作した後、動物用のウェットティッシュを使っていた。

 

安全なのかどうかは分かりかねるので、お勧めはしない。

 

液状化を起こした後のホームセンターでは、ウェットティッシュやおしり拭きの類はすぐに売り切れた。

 

ペットコーナーに行くと、動物用のウェットティッシュがたくさん残っていた。成分表を見て、使えそうなので買ってきた。

 

使ってみたら、自分のお尻は大丈夫だった。

 

ただし、何度も言うが、お勧めはしない。人間用のおしり拭きやウェットティッシュを備蓄しておいた方が安心だ。

 

自分がどうして、動物用のウェットティッシュを使ったのか、その理由を説明する。

 

震災当時、ウェットティッシュが足りなくて困った自分は、赤ちゃんに使えるおしり拭きのパッケージの裏を見た。

 

ざっくりと説明するので、興味がある人が正確な情報を確認してほしい。

 

ウェットティッシュなので、当然だが「水」が入っている。

 

「PG」というのは、正式名称をプロピレングリコールという有機化合物の一種だ。これは保湿剤とか防カビ剤として使用されている。化粧品や食品にも入っている。うちの妻は食品添加物が入ったものを子供に食べさせることを気にする。夫が食べる分には何ら気にしない。

 

「安息香酸」というのは芳香族化合物で、おそらくだが、この表示は安息香酸ナトリウムのことを言っているのだと思う。この化合物は細菌の繁殖を抑えるので、飲料や食品についても防腐剤として使用されることがある。確か、安息香酸は笹の葉にも含まれている成分で、日本でよくある笹寿司というのは、生モノの腐敗を防ぐための生活の知恵だったのではないかということを、どこかの大学の講義で習った。

 

「ブチルカルバミン酸ヨウ化プロピニル」というのはあまりよく知らないが、真菌とかカビに対して効果がある化合物で、防腐剤として使われていたはずだ。

 

「ベンザルコニウムクロリド」というのは、正しい日本語だと塩化ベンザルコニウムと呼ばれている。細かくて申し訳ないが、英語読みだと正しい発音はクロリドではなくて、クロライドだと思う。陽イオン界面活性剤の一つだ。主に細菌を殺す性質があるので消毒に使われている。ウイルスに対しては効果が期待できない。

 

「EDTA-2Na」というのは、正しい日本語だとエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム。これは有名なキレート剤だ。金属イオンを不活化する性質がある。シャンプーや化粧品といった製品において、液体の中に含まれている金属イオンによって品質が劣化することを防ぐ目的で添加されることが多い。

 

自分が蘊蓄をブツブツと唱えている時、うちの妻はどのように自分を見ているのかというと、ほとんど無視に近い。

 

何かの工業製品を見るたびに成分をチェックする割に、食品の産地等については全くの無頓着だ。妻的には、夫の思考が理解できないらしい。

 

そして、震災当時に使っていたおしり拭きにも、同じような成分が入っていた。

 

人用のウェットティッシュが売り切れていたので、ケーヨーデーツーで買ってきた自社ブランドの動物用のウェットティッシュ。

 

これは、震災当時に使ったものと同じものだと思う。これを使って、ありとあらゆるところを拭いてスッキリした。大変お世話になった。

 

しかし、何度も言うが、動物用なのでお勧めはしない。

 

成分を見てみる。

 

ウェットティッシュなので、当然だが、水が入っている。

 

プロピレングリコールは、先ほどの赤ちゃん用のおしり拭きでは「PG」と表示されていた。

 

そして、塩化ベンザルコニウムが入っている。先ほどの製品では、ベンザルコニウムクロリドと表示されていた。

 

人が使うウェットティッシュと、動物用のウェットティッシュに含まれている塩化ベンザルコニウムの濃度がどの程度違うのかは分からない。

 

そして、パラベンが入っている。正式な名前は「パラオキシン安息香酸エステル類」という化合物で、その種類は一つではなくて、色々な種類が含まれていたはずだ。

 

パラベンは、食品や飲料、化粧品など、色々な製品において防腐剤として添加されている。うちの妻は、パラベンが入った飲料を子供に飲ませることを気にする。夫がガブ飲みしていても気にしない。

 

ただし、消臭剤だけは、何が入っているのか気になった。

 

使うかどうか少し悩んだが、パッケージには動物の目の周りを拭くこともできると書いてあった。

 

動物の目と、自分の肛門では、どう考えても動物の目の方がデリケートだと思ったので、塩化ベンザルコニウムの濃度や消臭剤については何とかなるのではないかと思った。

 

色々と成分について考察したが、最後は単なる勢いで乗り切った。

 

重ねて言うが、自分は大丈夫だった。動物用のウェットティッシュで尻を拭かねばならないという悲しさはあったが、あまりに使い勝手が良かったので笑みがこぼれた。

 

しかし、お勧めはしない。

 

ということで、震災の経験を踏まえて、自分なりにチョイスした製品がこのセットになる。

 

トイレの消臭剤は普段から使っているが、これも即効性がある。少し余裕をもってストックしている。

 

それと、被災した時にありがたいと思ったのは、浦安市に高性能なゴミの焼却施設が配備され、フル稼働で排泄物まで処理してくれたことだ。

 

また、ゴミの回収してくださったスタッフの方々は非常に優秀だということに気付いた。とにかく仕事が速く、使命感があった。

 

お世辞ではなく、自分にとって、彼らは震災時の浦安の衛生を保つためのヒーローだった。

 

トイレの水が使えなくなって、排泄物を団地のゴミ集積場に持っていった時、「もしも焼却施設が地震でダメージを受けていたら」とか、「もしもゴミ収集車が来なかったら」と想像してゾッとしたことを覚えている。

 

焼却施設の耐震性については、しっかりと補強しておいてほしいと思う。

 

震災に対するシミュレーションにおいて、単一のフローは存在しないと感じる。常に複数の対応を考えたい。

 

浦安が直下型地震に襲われた場合、①浦安に大きな被害がない場合、②周辺自治体のダメージは少なくて浦安だけが液状化した場合、③周辺自治体が大きなダメージを受けている場合といったように、様々な局面を想定した対応を考えておく必要がある。

 

市民が自宅において非常用トイレを作って耐えている時、その排泄物を焼却するための施設がダメージを受けて機能しない場合には、どこで処理するのか。

 

仮設トイレを中心に対応を考える場合、どの程度の市民が自宅で簡易トイレを作れば、どの程度の仮設トイレを減らすことができるのか。

 

CP-1のような低コストの吸水性樹脂を市の施設で緊急用に備蓄した場合、どの程度の量があれば、何週間くらいの期間で使用できるのか。

 

結局のところ、いかに綿密なシミュレーションを行っても、自然の脅威が相手になった時には、その状況の中で必死に考えるしかない。液状化を経験して学んだ教訓だ。

 

不安になっていても仕方がない。自分はこの街で家族と共に生きていこうと決めた。

 

行政に任せっきりになるのではなく、我々市民も色々と防災について考えて、できる限りの備えをしておきたいと思う。

 

トイレだけでこんなに熱くなっている自分に恥ずかしくなるが、それくらい、トイレは大切だ。