夫婦の会話⑥:イケメンなイクメンというのは具体的にどんなイメージなんだ?

 夫:うーん。

 

妻:あれ? あなた、どうしたの? また考え事?

 

夫:そうなんだ。数年前、女の人たちから言われたことが、未だに気になっているんだ。

 

妻:え? なんだったっけ?

 

夫:ほら、以前、僕は、子どもを抱っこひもで胸に固定して、保育園前からバスに乗って美浜地区に行こうとしたのさ。そしたら、同じバスに2人組の女性が乗ってきたんだ。

 

妻:うふふ。ああ、それね。まだ根に持ってるの?

 

夫:そう。子どもとは知り合いみたいなんだけど、僕個人としては話したこともない女性たちから、こう言われたのさ。

 

女の人A:「〇〇ちゃんのパパって、イクメンですよね!」

 

女の人B:「え!? 今、何て言ったの!?」

 

女の人A:「え!? 今、育児に積極的なパパのことを、イケメンじゃなくてイクメンって言うのよ」

 

女の人B:「あー、そうなんだ! パパ、イクメンですよね!」

 

妻:あはは!

 

夫:そう、僕は、女の人Bが「な、何言ってんのよ!こんなとこでカミングアウトしてどうすんのよ!? あなた、こんなタイプが好みなの!?」って、素で勘違いした瞬間を見逃しはしなかったのさ。

 

妻:きゃはは! それ、勘繰りすぎ!

 

夫:そうさ、愛想笑いさえ作れないって、まさにこのことさ。それ以来、僕は、マンジュカを使わずに、片手で子どもを運ぶようになった。どうしても辛い時には、トンガを使うようになった。

 

妻:ちょっと、それ以上、笑わせないでよ、きゃははは!

 

夫:僕は、イケメン「じゃなくて」イクメンと言われたんだよ。イケメン「じゃない」って否定されたんだ。そりゃ、キモいパパかもしれない。でもね、面と向かってイケメン「じゃない」と言わなくたっていいじゃないか。

 

妻:ほら、その後でイクメンと言われたんでしょ。良かったじゃない。

 

夫:でも、僕が自分のことを「イクメンだ!」ってアピールしたら、怒るんでしょ?

 

妻:もちろん。しばらく会話もしないわ。だって、育児をしているお母さんのことをイクウーマンなんて言わないでしょ?

 

夫:いや、この流れだと複数形だ。イクウィメンだ。

 

妻:わたし個人としては、イクメンでもイクメンじゃなくても呼び名なんて何でもいいのよ。現実的に父親が何をするのか、しないのか、それが問題なのよ。

 

夫:ハムレット調で来たか。

 

妻:ほら、その女の人たちは、悪気があって言ったわけじゃないし、お立場もあるだろうし。

 

夫:そうだ。悪気はない。だからこそ、ショックなんだよ。初めて話す女の人たちから「イケメンじゃなくて」と言われた時点で、僕は、もう、オスとして終わってるんじゃないかってね。

 

妻:え!? まだ、オスを続けるつもりなの? パパでいいじゃない?

 

夫:それはそうなんだけど、ほら、分かんない? こういう微妙な男心。

 

妻:そういえば、あなたのお友達に、どう考えてもイクメンなのに、「おい、俺のことをイクメンと呼ぶんじゃねー!」って否定するパパさんたちがいるわよね。そういう気持ちなのかしら?

 

夫:うーん。どうだろ? 彼らのイクメン度というのはすごいけどね。でも、イクメンと呼ばれたくない父親って、結構いると思うんだ。

 

妻:難しいわね。。。わたし的には、別に呼び名なんてなんだっていいと思うけど。

 

夫:それがそうもいかないのだよ。で、考えていたのさ。イケメンなイクメンって、「具体的に」どんな感じなんだろうかと。イケメン「じゃなくて」が引っ掛かるんだよ。

 

妻:イケメンから派生した言葉なんだから、仕方ないでしょ? でも、そういえば、「これがイケメンのイクメンよ!」という具体的なイメージって、あるような、ないような。

 

夫:だろ!?だろ!?だろ!?

 

妻:どうして、そこで、日の出地区のこどもクリニックの院長先生になるの?

 

夫:うん、ということで、実際にグラフィクスで解析してみようと思うのさ。

 

妻:え!? そんなすごいソフトウェアって、あなた、持ってたの?

 

夫:いや、フリーのサイトがあるんだよ。ありがたいよね。KareChara(カレキャラ)っていうサイトさ! URLはここだよ。


http://designalikie.com/karechara


妻:へぇ。さっき、一生懸命に子どもをお風呂に入れたり、掃除機をかけていたのは、これで遊ぶ時間をつくるため?


夫:まあね。じゃ、作ってみるぞ。


夫:どうだい!? 日の出保育園の先、、、いや、バスの中で出会った女の人たちがイケメンなイクメンと呼ぶようなパパをつくってみた。これが、イケメンなイクメンさ!

 

妻:あはは! 楽しいわね。

 

夫:うん。KareCharaって、顔の形とか、目とかコスチュームまで自分で選べるんだ。

 

 

妻:・・・・

 

夫:あれ? イケメンなイクメンでしょ!?

 

妻:うーん、何か違うのよ。こういうパパって、なんだか「僕イクメン!」ってアピールしそうでしょ?

 

夫:そ、そうかな?

 

妻:家の外でイクメンをアピールする感じがするわね。それは良くないわ。髪型と眉毛が違うわね。そう、チャラいのよ。

 

夫:君、容赦ないね。じゃあ、チャラくないパパをつくってみよう。

 

夫:これでどうだ! 眉毛を太くして、シャープな感じでまとめてみたぞ。

 

妻:・・・・

 

夫:これなら、イケメンでイクメンだろ? あり?

 

妻:うーん、ちがうのよ。

 

夫:え? カッコいいじゃないか。日の出保育園であまり見ないだろ? こういうパパは。園長先生だって「キャー!」ってならないか?

 

妻:うーん。ほら、自分のことをカッコいいと酔っている感じがするじゃない。


夫:うん、そういえばそうだな。こだわりの美学というのはあるんだろうけど。


妻:それと、髪の毛が長すぎるかな。

 

夫:ああ、髪の毛については同じ感想だな。ほら、僕のお爺ちゃんは団塊世代のその前の人だったんだけどね。世界大戦を経験したくらいの。

 

妻:うんうん。

 

夫:若い頃、僕が髪の毛を伸ばしたことがあったんだ。そしたら、お爺ちゃんが「おい! 男は髪を短くして、面構えで勝負しろ!」って叱られたんだよね。

 

妻:ああ、昔の男性って、短髪でカチっと決めていたわよね。

 

夫:うん、まあ、江戸、明治、大正の流れだからね。

 

妻:うわー。

 

夫:それと、「男は、四十路を越えると、生き様が顔に出る。優しい男は優しい顔、実直な男は実直な顔、計算高い男は計算高い顔になる。男同士の腹の探り合いになって、本当に信用できるかどうか見極める時は、相手の顔と眼つきを観察しろ!」って言ってたな。

 

妻:うわー。それ、言い過ぎでしょ?

 

夫:うん。完全なお爺ちゃんの主観。まあ、ハンサムかどうかじゃなくて、面構えのことなんだけどね。 確かに、お爺ちゃんは、頑固で自己主張の強そうな顔をしていて、実際、そういう性格だったな。僕の親父は商売人だったから、同じような教育方針だったな。感情を顔に出したら厳しく叱られたよ。男は、悟られちゃいけないって。

 

妻:ああ、だから、あなたって、何を考えているか良く分からない顔なのね♪

 

夫:こら! じゃあ、さっきのイケメンの髪を短くしたらいいんだな。やってみよう。

 

妻:い、いきなり、昭和初期になったわね。


夫:そうさ、これを七三分けって言うんだよ。


妻:学生時代にはリアルに見たことないわ。


夫:でも、どうだい? 男前だろ?


妻:うーん、何か違うのよ。


夫:もうちょっと刈り込んでみるか?


妻:あ、なんだかカッコよくなってきた。分かったわ! やっぱり、これくらいの方がカッコいいわよ。


夫:君の判断基準が分からなくなってきた。


妻:え? ほら、髪の毛が短い方が、爽やかでしょ?


夫:じゃあ、もっとリアルなパパでいってみようか。


妻:すごいわね! こんなパーツまであるの!?


夫:うん、チョンマゲとかアフロもあるんだ。


妻:すごわね。


夫:ということで、ベッカム風のソフトモヒカン。こういう感じのパパって、地下鉄で歩いてるよね。


妻:うーん。イケメンでイクメンというのは、、、ちょっと、違うかな。


夫:いや、男はね、35歳を超えたくらいから太りやすくなるものさ。


妻:そんなものなの?


夫:そう。まあ、結婚すると、気が抜けて体型を気にしなくなったりもするけどね。


妻:へぇ、そうなんだ。


夫:人にもよるだろうけどね。でも、さっきのパパだって、ダイエットをすると、こんな感じになると思うよ。


妻:ま、眉毛、剃ってない? 確かに、イケメンでイクメンかもね。


夫:だろ!? だろ!? だろ!?


妻:うーん、でも、ちょっと違うのよ。そうよね、、、俳優だと、、、


夫:そうか、俳優でイメージすればいいんだよね。誰がいい?


妻:「ジャン・レノ」


夫:えええ!? ちょ、ちょっと待って。


夫:はいよ、ジャン・レノ。


妻:え?


夫:あのさ、ジャン・レノさんのパーツが用意されていないみたいで、これでも頑張ったんだよ。


妻:どうして野球のユニフォームなの?


夫:いや、巨人の星でいたような気がしてさ。


妻:あなたね、ジャン・レノさんのファンから叱られるわよ。


夫:デューク更家さんとか、エンゾ早川さんじゃダメなの?


妻:いや、ジャン・レノさんが良かったのに。。。


夫:じゃあ、ちょっと待って。


夫:レオンっぽく仕上げてみたんだけど。


妻:全然、違う。ヒゲが濃すぎる。帽子が違う。眼つきも違う。全部違う。


夫:仕方ないだろ、ジャン・レノさんのパーツがないんだよ!


妻:仕方がないわね。。。じゃあ、「リチャード・ギア」


夫:えええ!? だから、なんで海外の俳優なんだよ!?


夫:ったく、あいよ、リチャード・ギア。


妻:あれ!? 思ったよりもリチャード・ギアさんね♪


夫:うん。


妻:彼、金髪だったっけ? ちょっと若すぎるわね。彼は歳を取ってからの方がカッコいいから。


夫:うん。確かに、「プリティ・ウーマン」の頃よりも若いなぁ。銀髪のパーツが欲しいな。


妻:うーん。。。


夫:あのさ、君、次はどんな無茶ブリをしようか、考えてない?


妻:あ、分かった!


夫:次は何だ!


妻:「ヴィゴ・モーテンセン」


夫:おいおい、だんだんとハードルが上がって来てないか?


妻:チョーカッコいいのよ!


夫:あのさ、君。。。もはや、イクメンとかって、どうでもよくなってない?


妻:さあ、行ってみよう!


夫:あいよ、ヴィゴ・モーテンセン。


妻:あれ? 思ったよりもヴィゴ・モーテンセンっぽいわね。いつの頃?


夫:「イースタン・プロミス」


妻:「ニコライ」?


夫:うん。


妻:でも、恐すぎじゃない?


夫:そりゃ、マフィア映画ですから。


妻:そうじゃなくて、この格好で日の出保育園にお迎えに来たら、皆さん、びっくりしちゃうでしょ。


夫:そうだな。恐いな。


妻:「ロード・オブ・ザ・リング」なら、どう?


夫:「アラゴルン」を作るのか? 無理だろ、かなり厳しいぞ。


夫:あいよ、ヴィゴ・モーテンセンのロード・オブ・ザ・リング風、カジュアルソースかけ。

 

妻:とうとう壊れたわね。あれ? でも、思ったより完成度が高いわね。

 

夫:うん、慣れてきた。

 

妻:剣は?

 

夫:あるはずないだろ。

 

妻:でも、いい感じよね。彼って、角度によって眉毛が見えなくなるわよね。

 

夫:うん、どうしてなんだろうね。

 

妻:そう、これでいいのよ。ワイルドよ。

 

夫:あのさ、君、長髪は嫌じゃなかったのかい?

 

妻:時と場合によるわよ。そう、男性の魅力というのは、トータルで考えるものなのよ! 全体の雰囲気よ! そう、考えずに、感じるものなのよ!

 

夫:要は、女性から見たイケメンなイクメンというのは、その人の好みで左右されてるってことなの?


妻:まあ、そうなるわね。


夫:じゃあ、これで眉毛をつけてみるとするか。

 

妻:あら、素敵じゃない♪

 

夫:確かに、男性からもカッコいいと思われそうだね。朝の髪の毛のセット、大変だろうなぁ。

 

妻:ヒゲも大変よね。

 

夫:あのさ、君、こういうパパが、育児も家事もガンガンやるわけ?

 

妻:そうよ。まあ、ガンガンと言ったって、ママさんには勝てないけどね。ほら、さりげなく育児や家事をするのよ。そして、アピールはしない。


夫:うーん。独身女性からもモテそうだなぁ。カッコ良くて香水の匂いが良かったりすると。。。

 

妻:確かに、職場でモテるかもね。

 

夫:そういえば、職種を選びそうなビジュアルだな。これで営業は無理だろ?

 

妻:確かに、アーティストっぽいわね。カフェのマスターとか。

 

夫:今、分かった。

 

妻:何か閃いた?

 

夫:FQ JAPANの表紙が、外国人パパばかりの理由がさ。

 

妻:ああ、分かりやすいイメージなのかもね。じゃあ、次は、、、

 

夫:「ジョニー・デップ」にしてみようか? この顔の発展型だから楽だよ。

 

妻:違うわ。「ユアン・マクレガー」行ってみよー!

 

夫:ゆ、ユアン、、、って、「スター・ウォーズ」の「オビ=ワン」?

 

妻:そう、彼もパパでしょ?

 

夫:「猟人日記」の「ジョー」じゃだめかい?

 

妻:あの役は、パパが見るには刺激が強すぎるわ。オビ=ワンにしておきましょう。

 

夫:それもそうだ。分かった。


妻:終わったら、次は、日本人ね。イケメンでイクメンと言えば、、、

 

夫:谷原章介さんかい?

 

妻:哀川翔さんでしょ。

 

夫:渋いね。「DEAD OR ALIVE 犯罪者」かな?「しゃぼん玉」かな? 失敗すると命にかかわるかもしれないぞ。

妻:「ゼブラーマン」

 

夫:ッシャー! やってみる!