⑥ おまけ: スミスリンシャンプーの成分をザックリと説明

 

「スミスリンシャンプーって、一体、何が入ってるんですか?」という質問がありました。

 

お子さんに使う時に心配になったママさんではなくて、ご自身の薄毛に悩んでいるパパさんでした。

 

「こんなものを、頭に使って抜け毛が増えたら、どうしよう?」という切実なお悩みでした。

 

ここは説明しないと男がすたります。なので、ざっくりと書いておきます。自分の考察が入っているので完全に正確じゃないかもしれません。興味があればご自身で調べるきっかけくらいの気持ちでお願いします。

 

KINCHOさんのこちらのサイトに成分が記載されています。それぞれの成分について説明していきますね。

 


① フェノトリン 

スミスリンシャンプーには、当たり前ですが、スミスリンが入っています。「スミスリン」というのは販売する時の名前で、正式には「フェノトリン」というピレスロイド系の駆虫剤の一つです。ピレスロイドというのは殺虫剤でも使われています。どうして、KINCHOさんが、医薬品を販売しているか、理由が分かるでしょ?


フェノトリンは、天然物からではなくて、人工合成でつくることができます。これが、シラミの神経細胞に働いて麻痺させてシラミをやっつけるわけです。

日の出保育園のほけんだよりに書いてあったかどうか覚えていないのですが、もう少し詳しく説明するとですね、このフェノトリンという化合物は、神経細胞の細胞膜にある「ナトリウムチャネル」という部分に働くんです。

ナトリウムチャネルというのは、神経細胞のような電気的興奮性細胞での活動電位の発生、、、と言ってもチンプンカンプンになるかも知れませんので、ざっくり言いますと、神経細胞同士が情報を伝える時に働く構造のことです。このチャネルが開いたり閉じたりして、ナトリウムを入れたり止めたりして情報を伝えるのです。

そして、フェノトリンというのは、ナトリウムチャネルにくっついて働きをおかしくします。正しくは、ナトリウムチャネルが開きっぱなしの状態になります。

すると、神経細胞はずっと興奮して、つまり、「ドーン!」の状態になるわけです。そうなると、神経が興奮しっぱなしで情報の伝わりがおかしくなって、シラミは麻痺したままになります。そこから蘇生できずに、死んでしまいます。

 

ナトリウムチャネルはシラミだけじゃなくて、僕たち人間の神経細胞も持っています。毎日、気が付かないだけで、自分たちの神経細胞でもナトリウムチャネルをガンガン使っているわけです。

しかし、例えば、お父さんが、フェノトリン入りのスミスリンシャンプーを使っても、「ママ、これ使ったら、何だか興奮してきたよ!」とはなりませんよね。

 

これは、哺乳類と昆虫類とで、ナトリウムチャネルが遺伝子の配列レベルで違うので、フェノトリンがほとんど作用しないからなんです。

フェノトリンは、昆虫類だと、蚊とかイエバエとかゴキブリにも効いて、爬虫類とか両生類にも効いたりするそうです。なので、「君に黙っていたけれど、実は、僕、爬虫類なんだ」というお父さんがいたら要注意です。イナイ,イナイ。

それと、最近では日本でもスミスリンシャンプーが効かないアタマジラミというものが出てきて問題になっています。

 

海外だと1990年代、かなり昔から報告されていたりします。スミスリンシャンプーには、フェノトリンが入っているのに、どうしてシラミが死なないのか、不思議ですよね。

スミスリンシャンプーが効かないアタマジラミでは、ナトリウムチャネルをつくっている遺伝子に変異があるんです。変異が起きているので、フェノトリンがあまり働かないというわけなんです。

 

シラミの遺伝子のどの部分にどういう変異があると、スミスリンシャンプーが効かなくなるのか、ということも分かっています。なので、「あ、コイツはスミスリンシャンプーが効かないシラミだぞ!」と調べることもできるそうです。

 

フェノトリンが効かないシラミだと、コームとかで物理的に駆除するか、別の薬品を使うといった、他の手段に出るしかないんですが、現在、医薬品として日本で認められているのは、スミスリンシャンプーだけなんだそうです。

その他の成分については、ザックリと説明します。

② アルキルジメチルアミンオキシド

日常用品でもよく使われる両性界面活性剤です。界面活性剤の中では皮膚への刺激が少ないことが知られています。洗浄剤とか起泡剤として使われることが多いと思います。一般で使用するシャンプーとか台所洗剤にも入っていたりします。

③ ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール

この長い名前の成分は、非イオン性の界面活性剤です。界面活性剤の中では毒性が比較的低くて、皮膚に対する刺激も少ないので、化粧品とか日焼け止め製品の乳化剤としても使われています。

④ ポリソルベート80

③と同じく、非イオン性の界面活性剤です。Tween 80という別名の方が分かりやすいお父さんがいるかもしれません。こちらも、安定化剤や乳化剤として、化粧品、医薬品、食品(チョコレートとかドレッシングとか)にも広く使われています。

⑤ エデト酸ナトリウム水和物

これは、抗酸化剤としてお薬の添加物に使用されています。うーん、このサイトが分かりやすいかな。こちらです。有効成分を水溶液の状態で保存すると、酸化したり、劣化して働きが弱くなってしまうことがあります。それを防ぐ目的で入れることが多いです。要は、安定化剤です。④のポリソルベート80も安定化剤として使われたりします。

⑥ pH調整剤、香料

有効成分が安定しているようなpHにするためにpH調整剤を入れます。香料は、一応、シャンプーなのでということなのでしょうかね。

 

ここからは、興味がある方だけで。。。ついでに、スミスリンシャンプーの泡立ちについて突き詰めて考えていきましょう。

① フェノトリンと、⑥ pH調整剤・香料は泡立ちには直接、関係ないと思います。

すると、②、③、④、⑤の4つの添加物について考えることになります。

⑤ エデト酸ナトリウム水和物というのは、界面活性剤ではなくて、スミスリンシャンプーの中でフェノトリンが劣化しないための安定化剤として使われていると思います。

すると、②、③、④になります。

③ ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールと④ ポリソルベート80は、非イオン性界面活性剤です。これらの界面活性剤は何に使われているかということなんですが、たぶん、フェノトリンがもともと水に溶けにくいので、③と④を入れることで溶解性を上げているのかもしれませんね。でも、界面活性剤なので、泡立つと思います。

そして、残ったのは、② アルキルジメチルアミンオキシドです。②は起泡剤として入っている気がします。シャンプーとか台所洗剤にも入っているくらいですから。でも、濃度がそれほど高くないのかもしれません。

よくよく考えてみますと、スミスリンシャンプーというのは、頭皮や髪の汚れを落とす役割は必要ないんですよね。シラミさえ駆除できればいいんです。

ただ、泡が出てくれた方が、髪の毛のどこまで浸透しているかが触感でも分かって便利ですよね。それと、特に、長い髪の毛の場合には、髪と髪の間をほぐして、スミスリンシャンプーを浸透させやすくする効果もあるんじゃないかと思うんです。

 

それはともかく、使った感じとしては、スミスリンシャンプーによって抜け毛が増えた感じはありませんでしたね。たったの3~4回ですし。

 

でも、やっぱり気になって、スミスリンの後でシャンプーとリンスとトリートメントかけましたけど、今のところ抜け毛は増えていません。どうやら、昆虫類や爬虫類ではなかったようです。